孫社長「Wi-Fiが答えだ」 山田社長「Wi-Fiより3G」 ソフトバンクモバイルとドコモが新サービス(2/2 ページ)
ソフトバンクモバイルとドコモの新サービスは、両社の考え方の違いを浮き彫りに。ソフトバンクは「ケータイWi-Fi」で3Gより高速なWi-Fiをプッシュする一方、ドコモはフェムトセルによる自宅専用エリア構築サービスで3Gの快適さを向上させる。
「高品質なネットワークをきちんと整備していく」──ドコモ
午後1時からはNTTドコモが発表会を開催。キーボード部とディスプレイ部を分離して使える世界初のセパレート型端末「F-04B」など計19機種や、新端末で対応する「オートGPS」機能などを発表。Sony EricssonのAndroid端末「Xperia X10」の来年発売に向けた最終検討を進めていることも明らかにした(ソニエリAndroid端末「Xperia X10」、ドコモが国内販売検討)。
オートGPSでは、ユーザーの位置情報をドコモやコンテンツプロバイダに定期的に送信することで、付近の情報をユーザーに配信する。同機能で拡充する「iコンシェル」の新サービス「終電アラーム」では、ユーザーの現在位置から自宅最寄り駅までの経路とその終電時刻を調べ、アラートしてくれるという。
「マイエリア」は、ユーザーの自宅にフェムトセル(小型基地局)を設置し、専用FOMAエリアを構築するサービス。フェムトセルに接続できるのはあらかじめ登録したFOMA端末(1契約10回線まで)のみ。一般の基地局が多数のユーザーで共有する形なのに比べ、基地局の帯域を“独り占め”できるため、HSDPAの枠内(下り最大7.2Mbps)で通常より高速な通信が可能になるという。
マイエリア向け専用動画・音楽コンテンツ配信を用意するほか、専用エリアへのFOMA端末の出入りを検知する「イマスカ」機能を利用できる。家族が帰宅した際に伝言メールを自動送信するといったことが可能だ。今後、家電との連携なども検討する。
月額料金は980円(初期費用2100円)だが、「ファミ割MAX50」などを利用していれば半額の490円に割り引く。フェムトセルを接続するためにPPPoEマルチセッションに対応したFTTHサービスが必要で、現状ではNTT東西地域会社の「Bフレッツ」になるという。申し込みから利用開始まで平均6週間程度かかるとしている。
今年度2万契約がマイエリアの目標だ。同社は昨年、Wi-Fi接続サービス「ホームU」を提供済みだが、山田社長は通信速度の高速化については「Wi-Fiとどちらかと聞かれれば、LTEを含めた3Gのバージョンアップで対応したい」という考えだ。
「モバイルは移動して使うもの」であり、Wi-Fiはあくまで補完的なサービスという位置付け。「品質の高いネットワークをきちんと整備していくことが、動画の時代に向けて必要になる」と、あくまで3G(とそれ以降)のネットワーク強化を進めることでユーザーの利便性向上を図っていく方針だ。
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