時速300キロでLTEはどうなる――上海R&Dセンターで見たHuaweiの最新技術(2/2 ページ)
時速300キロで走行するリニアモーターカーで、LTEはどれだけのパフォーマンスを発揮するのか? Huaweiが上海に新設した巨大なR&Dセンターを訪れ、同社の最新無線技術を取材した。
下り平均50Mbpsの高速通信を実現
LTEのテストエリアは商店などが立ち並ぶ一般の市街地に設けられている。今回は2.6GHz帯のLTEエリアをデモ用のバスで走行し、実際の通信速度やハンドオーバーの様子を見た。結論から言えば、テストエリアでは平均で下り50Mbps程度の通信速度が出ており、高解像度の動画サービスなどにも十分に対応できる通信環境となっていた。
走行開始前の基地局周辺では、下りで90Mbps程度をコンスタントに記録。テストエリアに設置されたアンテナには指向性があり、ベストコンディションでは下り98.5Mbpsを記録した。走行を開始し、基地局から離れるにつれ通信速度は低下し、ハンドオーバー時には瞬間的に下りが0bpsとなる場面も見受けられたが、おおむね下り30Mbps程度は確保されていた。8分半ほどの走行で、ダウンロードしたデータ量は26.99Gバイト。あくまでも利用者の限られた実験環境ではあるが、一般ユーザーにとっては固定通信の代替にもなり得る高速通信が実現していた。
時速300キロの世界でLTEはどうなる?
では、時速300キロの世界では、LTEの通信速度はどう変化するのか。リニアモーターカーの線路にそって構築された8つの基地局エリア/12のセルを通過しながら、その性能を見せてもらった。上海のリニアモーターカーは本来時速431キロで走行できるのだが、走行する時間帯によっては最高速度を時速300キロに制限している。残念ながらデモの時間帯は最高時速300キロでの走行となったが、それでも通常の移動手段からすれば十分に高速な環境でのデモだ。
なお、本来ならば端末と基地局間では100Mbpsの最大通信速度が見込めるが、同テストエリアではバックホール側の制限により最大通信速度は50Mbpsとなる。
約4分半の走行で、平均の下り通信速度は27.5Mbps、ダウンロードしたデータ量は7.57Gバイトだった。デモの中盤からは時速300キロでハンドオーバーを繰り返すという厳しい通信環境となったが、下りの通信速度が1Mbpsを割ることはなかった。また、時速300キロの状況下でも、下り50Mbps前後を記録することがあり、高速移動時におけるLTEのポテンシャルを感じるデモとなった。
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