セカイカメラがソーシャルARゲームに本腰 アイテム課金でエコシステム構築(2/2 ページ)
頓智ドットのARアプリ「セカイカメラ」が、“ソーシャルARゲーム”の取り組みを加速させている。「セカイアプリ」のブランドでゲームタイトルをラインアップし、アイテム課金への対応も予定。年内にはゲーム用APIを公開し、パートナー企業を増やす考えだ。
世界規模のゲームプラットフォーム構築に意欲
セカイアプリの第1弾としてリリースされた「ばくはつカブーン」は、AR空間に爆弾を設置したり、他のユーザーが設置した爆弾を処理したりしながらポイントを貯めるゲームに仕上がっている。開発はWebサービス開発会社であるwizcorpと頓智ドットが共同で行った。
第2弾の「セカイユウシャ」に続き、第3弾として“Twitterと連携したコミュニケーションツール”の追加も決まっており、ゲームのラインアップは着々と増える見込み。こうした、パートナー企業との協業で得たノウハウを、将来提供するゲーム用APIに反映させるという。
セカイアプリのパートナー企業は、大手ゲームメーカー、ソーシャルゲーム企業、Webサービス企業が主だが、例えばアニメの制作会社など、国や業種を問わず幅広いコンテンツホルダーと協業していくのが同社のスタンス。また、セカイアプリはその名の通り世界規模での展開を目指す。そのために、パートナー企業の収益源となる課金の仕組みを整える。
課金システムは秋ごろの提供を目指すが、詳細は「現時点で話せる段階にない」という。同社はiPhone以外にもAndroid端末向けサービスを開始しており、PC向けWebサービスも準備中だ。こうしたマルチプラットフォーム展開の中で合理的な課金の仕組みを模索していると思われる。
将来的にはAndroid版の開発が先行する可能性も
iPhone版セカイカメラでは今後、新しいゲームが追加される度にアプリをバージョンアップしていく。技術的にはアプリ内でゲームを個別にダウンロードさせることも可能だが、Appleの審査規定に反する可能性があるため、アップデートで対応せざるを得ないと井口氏は明かす。
ただ、こうしたAppleによる制限はAndroidの台頭によって緩まる可能性があるとも。Androidはアプリの審査がないだけでなく、アプリ間連携が簡単に実現するといった魅力があり、「セカイアプリのアーキテクチャに非常に適している」という。「英語圏だとトレンドはもうAndroidだ。Androidのアプリ環境が当たり前になると、Appleの審査基準やアプリマーケット運営も変わるのではないか」
Android版セカイカメラも、今後はセカイアプリに対応する予定。現状ではアプリのバージョンはiPhoneが先行しているが、今後はAndroidの開発が先行する可能性もあるという。
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