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KDDIと頓智ドットが資本提携――AR事業に本腰
KDDIが、拡張現実プラットフォームの「セカイカメラ」を展開する頓智ドットに4億4800万円を出資。両社でAR事業の普及・拡大を目指す。
KDDIは8月5日、拡張現実プラットフォームの「セカイカメラ」を展開する頓智ドットと資本提携したと発表。頓智ドットの第三者割当増資を引き受け、4億4800万円を出資した。今後、両社は協力してARサービスの普及と拡大を目指す。
両社はこれまでにも、KDDIのARプラットフォーム「実空間透視ケータイ」とセカイカメラを連携させたARアプリケーション「セカイカメラZOOM」を開発するなど、AR事業に共同で取り組んできた。その一方で頓智ドットは、ARを活用したゲームプラットフォームの「セカイアプリ」を提供するなど、セカイカメラのプラットフォームにソーシャル性を持たせる取り組みを推進してきた。
今回の資本提携で両社はAR事業に対する取り組みを強化。KDDIの課金プラットフォームを活用したゲーム課金や、広告関連ビジネスの推進で、セカイカメラの会員数拡大を目指すとともに、KDDIのコンテンツ調達力や研究開発力を生かして、より魅力的なARサービスの開発に取り組む。
AR関連サービスは、2009年のセカイカメラの登場をきっかけに注目を集めるようになり、通信キャリアも各種サービスの開発に取り組んでいる。ソフトバンクテレコムは、iPhoneとセカイカメラを法人向けサービスに活用しており、NTTドコモは冬モデルのPRIMEシリーズ全機種にAR機能を搭載する予定としている。
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