専任者がいなくてもクラウド連携で小規模ビルのエネルギーを管理、改善できるエネルギー管理

ビルの省エネを進めるためには、電力や動力を監視し、改善策を見つける必要がある。ビルに備わっている設備の状態を監視することは難しくない。難しいのは集まったデータを解析し、改善策をまとめることだ。ジョンンソンコントロールズは専任者を置くことができない小規模ビルでも高度なエネルギー管理ができるようビル管理システムをクラウドサービスとあわせて提供する。これが新製品「METASYSインテリジェントターミナル アドバンス」の特徴だ。分析、改善提案はクラウドサービスに任せ、ビル側では日々の管理に専念できる。加えて、管理システムのユーザーインタフェースに初めてタブレット端末を採用し、新しい管理形態を提案する。

» 2013年09月13日 09時30分 公開
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 「ビル管理システムを導入したのはよいが、得られたデータをどう活用していいか分からない」「自治体への省エネ報告が業務を圧迫する」―― 一部の大規模な建物を除けば、ビル管理に専任のオペレータが付くケースはまれであり、こうした悩みを抱える施設は少なくない。そこで、ジョンソンコントロールズは、病院や学校、小規模オフィスなど向けに、ビル管理システムとクラウド型のサポートサービスを連携させた新しいソリューションを提供する。

 同社が2013年10月1日に発売する「METASYSインテリジェントターミナル アドバンス」は、監視対象の建物から取得した電力や温度、湿度、設備運転、警報などのデータを、顧客サイトだけでなく、長期的なデータとして同社側サーバに蓄積することができる。蓄積したデータはインターネットを利用し、グラフなどの分かりやすい形で、顧客専用のコミュニティサイトを通じて提供。顧客はポータルにログインすれば、エネルギー使用量を確認でき、毎月発行されるエネルギーレポートを役立てることができる。

 「ただデータを見るだけでなく、ポータル内で当社の担当者と情報を共有し、Q&Aなどのやりとりもできるようにする。このサービスに限らず、特に専門知識を持たないオペレータでも安心して快適に運用できることを目指している」(ビルディングシステムズ マーケティング統括本部 製品戦略部マネージャーの夏井大氏)。同サービスは、システムを導入した全ての顧客に当初、スターターパックという位置付けでオプションとして提供する予定だ。改正省エネ法などで義務付けられている自治体などへの定期報告の支援も、別途、オプションで提供する。

ジョンソンコントロールズ ビルディングシステムズ マーケティング統括本部 製品戦略部マネージャーの夏井大氏

タブレット端末で表示、操作

 METASYSインテリジェントターミナル アドバンスは、同社が20年以上にわたって提供しているビル管理システム「METASYS」シリーズのうち、2008年に発売した壁掛け型の小規模施設向けシステムを刷新したもの。延べ床面積2000〜5000m2のビルを対象としており、最大管理点数は500点。METASYSシリーズには他に、中規模施設向けの「マイクロステーション」と大規模施設向けの「METASYSシステム拡張アーキテクチャー」がある。

 新製品の特徴は、これまで本体と一体になっていたユーザーインタフェース部を、本体から切り離したこと。専用アプリケーションをインストールしたAndroidタブレット端末を使い、各種情報を確認できる。無線LANを構築すれば、建物内で端末を持ち歩いて使うことも可能だ。端末だけを追加して、使える場所や人数を増やすこともできる。

METASYSインテリジェントターミナル アドバンスのシステム構成
タブレット端末をユーザーインタフェース部として利用できる

 省スペースと携帯性の観点から、10.1型パネルを採用した推奨タブレット端末を用意した。小さな画面でも情報を一目で把握しやすいよう、画面デザインを工夫した。「ビル管理システムの画面は、監視対象のリストか平面図であることが多い。今回は小規模な施設に導入することを踏まえ、運転状況や異常を監視区画ごとのセルにまとめて表示する画面を採用した。FA分野で使われる故障表示器になぞらえて、アナンシエータ形式と呼んでいる」(夏井氏)。音によるアラートも設定でき、複数の機器の状態を直感的に把握し、操作できるという。

大規模向けと同じ「エンジン」

 新製品の改善点はもう1つある。同社が「エンジン」と呼ぶシステムの中核機能を大規模向けのMETASYSと同じものに変えた。METASYSシリーズのエンジンを共通化したことで、例えばMETASYSインテリジェントターミナル アドバンスの顧客が、ビルの増築や管理方針の変更などによって、より大規模なシステムを必要としたとき、拡張が容易になる。

 また、ビル内のフィールドコントローラーとエンジンを結ぶフィールドバスも拡張された。これまでも業界標準のオープンプロトコルであるLONWORKSに対応していたが、さらにBACnet MS/TP、ジョンソンコントロールズの「N2 Open」にも対応する。これにより、空調や照明、動力、検針など、他社のサブシステムを直接連携できるケースが増える。ビル全体を見渡すために直接連携できない機器の情報をMETASYSに取り込む場合、これまではインタフェース装置が必要だったが、バスのプロトコル対応が拡大したことにより、インタフェース装置が不要になるケースが多くなる。

デマンドの監視と制御

 新製品では、これまで要望の多かった電力デマンドの監視、制御機能を装備した。監視機能としては、専用画面で電力の使用状況をリアルタイムに把握できる他、電子メールによる通知機能を使って、離れた場所でも重要な警報を受け取ることができる。また、あらかじめ設定しておけば、使用電力量が設定数値を超えそうな場合に、特定の機器の電源を切るなどの自動制御が可能。

 中央(熱源)空調だけでなく、個別空調を制御する機能も前機種から継承している。エアコンのリモコンの表示画面に似た、分かりやすい表示を一覧にして、運転/停止や温度の上げ下げなどをタブレット端末から簡単に操作できるようにした。

 システム販売価格(エンジニアリング工事費別)は100万円から。機能は追加、改良しながら価格は前機種と同等に抑えた。また、ROCクラウドサービスのスターターパックは30万円(初期設定費と12カ月分のサービス費)から提供する。「病院や学校、コミュニティーセンターなど、中央空調だけでなく個別空調も入った施設で統合的なエネルギー管理機能を提供することによって、お客様の省エネへの取り組みを支援したい」(夏井氏)。


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提供:ジョンソンコントロールズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2013年9月30日