京セラが取り組む「自動デマンドレスポンス」への取り組みが着実な成果を残している。ネガワット取引実現などの実証事業に参加。特に食品スーパーをベースとした試験で大きな成果を出している。しかし、その裏には地道な取り組みがあった。京セラ 東京事務所 研究開発本部 ソフトウェアラボ システム研究部責任者の草野吉雅氏に話を聞いた。
川崎市とアズビルは電力利用合理化の取り組みとして、冬季使用電力のデマンドレスポンス(DR)の実証を実施し、空調設備の電力消費削減によりベースライン(基準値)に対して最大で16.8%の削減を達成する成果を得た。
NEDOと清水建設はニューヨーク州立工科大学内のビルを利用して、ZEBの実現に向けた実証試験を開始した。BEMSや燃料電池、太陽光発電システムをはじめとする日本の最新技術を導入し、まずは標準的なビルと比較して消費電力量の半減を目指す方針だ。
社会課題としての電力消費の削減が大きな注目を集める中、導入が徐々に広がり始めているのがEMS(エネルギーマネジメントシステム)である。省エネ・新エネに関する展示会「ENEX2016」内において、関東経済産業局およびESCO推進協議会が展示会内展示会として開催した「省エネルギ―フェア2016」の様子を紹介する。
米Opowerの日本法人オーパワージャパンは「新電力EXPO 2016」に出展し、同社の電力事業者向けの顧客データ分析サービスをアピールした。同社は2007年創業のベンチャー企業だが、現在全世界で98社、米国の上位電力会社の75%がそのサービスを利用しているという。2013年には東京電力との提携も発表している。“行動型デマンドレスポンス”を可能にするという同社のサービスの詳細について取材した。
京都最大級のイベント会場である「みやこめっせ」には出力30kWの太陽光発電システムが導入されている。今回、同施設に新たにアイケイエスが開発したSiCパワーデバイスを採用する蓄電システム「I_DENCON(アイデンコン)」の導入がきまった。太陽光や電気自動車など複数の電源を同時利用できるのが特徴だ。
米国シカゴにある世界最大級の商業ビル「マーチャンダイズマート」に、ジョンソンコントロールズが蓄電システムを導入した。同ビルではデマンドレスポンスにより、年間の電力消費量を約35%削減できるようになる見込みだ。
NTTグループなどの通信インフラ構築を手掛ける日本コムシスと、BAS(ビルオートメーションシステム)やBEMS(ビルエネルギー管理システム)を展開するネットワーク・コーポレーション(以下、NWC)は2015年9月17日、東京都内で会見を開き、既設の中小規模ビルを中心としたBAS/BEMS事業で協業すると発表した。
川崎市とアズビルは電力利用合理化の取り組みとして、冬季使用電力のデマンドレスポンス(DR)の実証を実施し、空調設備の電力消費削減によりベースライン(基準値)に対して最大で16.8%の削減を達成する成果を得た。
NEDOと清水建設はニューヨーク州立工科大学内のビルを利用して、ZEBの実現に向けた実証試験を開始した。BEMSや燃料電池、太陽光発電システムをはじめとする日本の最新技術を導入し、まずは標準的なビルと比較して消費電力量の半減を目指す方針だ。
米国シカゴにある世界最大級の商業ビル「マーチャンダイズマート」に、ジョンソンコントロールズが蓄電システムを導入した。同ビルではデマンドレスポンスにより、年間の電力消費量を約35%削減できるようになる見込みだ。
京都最大級のイベント会場である「みやこめっせ」には出力30kWの太陽光発電システムが導入されている。今回、同施設に新たにアイケイエスが開発したSiCパワーデバイスを採用する蓄電システム「I_DENCON(アイデンコン)」の導入がきまった。太陽光や電気自動車など複数の電源を同時利用できるのが特徴だ。
大阪府豊中市にある「よみうり文化センター」を建て替えた新たな商業施設に、自動デマンドレスポンスシステムが導入された。関西電力からの電力需要の抑制要請に応じてバックヤード部分の空調を自動調整する。
兵庫県尼崎市のJR塚口駅前の再開発プロジェクト「ZUTTOCITY」では、街区全体の電力受給状況の「見える化」を行うとともに、尼崎市における地域通貨ポイントを導入することで地域の商店と連携したデマンドレスポンスに取り組む。
住友電気工業は横浜市内の製造拠点に設置した蓄電池、太陽電池、ガスコージェネレーションを組み合わせたシステムを使って、デマンドレスポンスの実証プログラムに取り組んだ。アグリゲータからの指令を受けて、要求どおりの電力量を1時間にわたって自動的に削減することができた。
横浜市が2010年度から取り組んでいる「横浜スマートシティプロジェクト」の中で、大規模なビルを連携させたデマンドレスポンスの成果が上がっている。7月〜9月に14棟のビルで実施した結果、最大23%のピークカットを達成した。インセンティブの価格差による効果も明らかになった。
神奈川県の川崎市がBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を活用した地域の節電対策に取り組む。川崎駅の周辺地域を対象に、市庁舎と民間のビルの電力使用量を統合型のBEMSで一括管理する実証実験を10月から開始する予定だ。最大20%の電力ピークカットを目指す。
NHKの連続テレビ小説で話題の「あまちゃん」のロケ地は、岩手県の太平洋側にある久慈市だ。東日本大震災で大きな被害を受けた久慈市は復興プロジェクトの一環で、小中学校を中心に電力見える化システムや太陽光発電システムを導入して、災害に強いスマードグリッドの構築を進めている。
これから夏の節電対策の準備が本格化する。重要なのは昼間に増大する電力需要のピークカットだ。横浜市は冬の夕方に6棟の大規模ビルを対象にしたピークカットの実証実験で最大22%の電力需要を削減した。同様の実験を夏の昼間にも実施して効果を検証する。
神奈川県の川崎市が市庁舎など4つの施設にBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を導入する計画だ。合計3100万円を上限に、公募方式で事業者を選定する。国の補助金を活用しながら、2014年3月末までの1年間でBEMSによる節電対策に本格的に取り組む。
地域単位で効率良く電力を使うことを目指して多様な実証実験が続いている「けいはんなエコシティ次世代エネルギー・社会システム実証プロジェクト」で、CEMS(地域エネルギー管理システム)と連携したBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)の稼働が本格的に始まった。
1棟のビル全体をトランクルーム専用にして事業を展開するキュラーズは、運営するビルすべてにBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を導入している。ビルの入退室管理と連動させて照明やエレベータを制御することができるようになり、電力使用量を平均30%も削減した。
「北九州スマートコミュニティ創造事業」の一環として、市内の博物館の消費電力をBEMSで制御する実証実験が始まった。地域のエネルギーを管理するシステムと連系し、来場者にとって快適な空間を維持しながら、展示品を保護するという難しい要求に応えるシステムの完成を目指す。
「横浜スマートシティプロジェクト」を推進している横浜市は、プロジェクトに参加している建物の中から複数のオフィスビルと商業ビルを対象に、デマンドレスポンスの実験を実施する。それぞれのビルが備えるBEMSと、統合管理する統合BEMSなどが連携して、20%のピークカット実現を目指す。
大成建設は、自社の研究拠点に直流の電力を供給するシステムを導入した結果、10%程度の節電効果を得られたことを明らかにした。交流と直流の変換回数を減らし、電力損失を抑えた結果だ。
日本土地建物は自社保有ビルの1つである「日土地内幸町ビル」(東京都千代田区内幸町)に日立製作所のBEMSを導入し、空調機器を制御させた結果を明らかにした。ガス空調と電気空調を使い分けることで2010年度と比べて空調機器が消費したエネルギー量をおよそ29%削減できた。
給湯器メーカーのノーリツは7月〜9月の3か月間に、最大使用電力(ピーク)を約20%削減した。関西電力の管内にある事業所を中心に、太陽光やガスコージェネレーションによる発電、LED照明による節電、さらにデマンドコントローラによるピークカットも実施した。
今夏は、関西電力で一昨年比10%など、厳しい目標を立てざるを得なかった地域もあった。大和ハウス工業は政府による節電目標をさらに上回る目標を立てて節電に取り組んだ結果、大きな成果を上げることができた。
BEMS(ビル向けエネルギー管理システム)の導入事例を紹介する連載の第1回目は、JR東日本グループが運営する東北3県の主要な駅ビル4か所に導入したケースを取り上げる。BEMSを中心とした節電対策により、2011年度の電力使用量を18%削減した。
凸版印刷は主力工場の1つである相模原工場で、電力の使用状況を見える化する取り組みを本格的に開始した。工場内の300か所に電力量計や電力量センサーを設置し、時間帯別の電力使用量と最大需要電力の両方をリアルタイムに把握できるようにして節電を徹底する。
自社で開発したBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)の導入施設を拡大中の清水建設が、研究所の2棟のビルを連携した節電に取り組んでいる。7月10日〜31日の22日間で、電力のピーク値をBEMS導入前の2010年と比べて38%も削減する効果を上げた。
オフィスで大量のパソコンを使う企業では、空調や照明の節電対策だけでは電力使用量を大幅に削減することは難しい。パソコンとモニターを合わせて2200台も使用するNTTPCコミュニケーションズはエネルギー管理システムによる自動制御で電力削減に取り組んでいる。
昨夏に東京電力と東北電力の管内で設定された節電目標15%をBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を駆使してクリアした企業がある。ボウリングなどのレジャー施設を展開するラウンドワンだ。今夏は西日本の店舗にもBEMSを拡大して15%の節電に取り組む。
通信機器メーカー大手のシスコシステムズが大阪の新オフィスで、独自の技術による効率的なLED照明の利用法を開始した。通常の電力線を使わずに、社内のパソコンや電話をつないでいるイーサネットに接続して電力を供給する。この仕組みにより社員が電話からLED照明を制御できる。
大きな電力を消費する施設と言えば、工場だ。金属を溶解する工程などが入っていると、消費電力量はぐんと上がる。ファスナー製造大手のYKKと富士通は、共同で工場向けのエネルギー管理システムを開発し、本格稼働を始めた。
三井住友海上火災保険は新築の本社ビルに全面的な省エネ対策を実施し、5月1日からオフィスとして利用を開始した。ほぼ全館にLED照明を導入したほか、屋上に最大出力30kWの太陽光パネルを設置し、ビル全体のエネルギー消費をシステムで制御する。
経済産業省は「BEMSアグリゲータ」を通してBEMSの普及を推進している。中小ビルの消費電力量をアグリゲータがまとめて管理して、ピーク時の電力消費量を抑えることが狙いだ。鹿島建設は昨夏の節電活動で得た知見を生かし、快適さを損なわずにピークカットを可能にするシステムを開発した。
三菱電機は2012年から14年の3年間で実施する「第7次環境計画」の中で、電力のデマンド管理と太陽光発電の導入を新たな強化ポイントとして盛り込んだ。これにより1.7万トンのCO2を削減する。
米Opowerの日本法人オーパワージャパンは「新電力EXPO 2016」に出展し、同社の電力事業者向けの顧客データ分析サービスをアピールした。同社は2007年創業のベンチャー企業だが、現在全世界で98社、米国の上位電力会社の75%がそのサービスを利用しているという。2013年には東京電力との提携も発表している。“行動型デマンドレスポンス”を可能にするという同社のサービスの詳細について取材した。
短期連載「節電に効くシステム」の第3回では、BEMS(ビル向けエネルギー管理システム)の中でも、経済産業省の「エネルギー管理システム導入促進対策事業費補助金」の対象となっている製品を整理し、それぞれの製品がどの程度の規模の建物に適しているのかを解説する。
BEMSアグリゲータ幹事会社が提供するシステムについて解説する特集の第7回。今回はNECが提供するシステム「Butics-Es」を紹介する。このシステムはビル全体だけでなく、さまざまな種類の機器の消費電力を計測し、グラフなどの形でデータをユーザーに提示し、無駄を見つけやすくなている。空調機器を単純に止めるだけでなく温度設定変更など、自由に機器を制御できる点も特長だ。
BEMSアグリゲータ幹事会社が提供するシステムを紹介する特集の第6回。今回はヴェリア・ラボラトリーズが提供するシステム「EIA-demand Light」の機能を紹介する。同社のシステムはあらかじめ設定したデマンド値を超えないように制御するだけでなく、30分ごとにデマンド値を変動させることで、1日の全体の消費電力量を節約することを目指している。
BEMSアグリゲータ幹事会社が提供するシステムを紹介する特集の第5回。今回はパナソニックESエンジニアリングが提供するシステム「ECO-SAS DR」を採り上げる。このシステムは一定の目標値(デマンド値)を超えないように機器を制御するだけでなく、消費電力量の集計結果をさまざまな形式で提示することで節電意識向上を狙うなど、多様な機能を持っている。
BEMSアグリゲータ幹事企業が提供するシステムの機能を解説する特集の第4回。今回はダイキン工業が提供するシステム「エアネットi」シリーズの中でも標準的な機能を備える「エアネットi スタンダードモデル」について解説する。空調機器を細かく自動制御することで消費電力量を抑え込むシステムだ。
BEMSアグリゲータ幹事会社が提供するシステムの特長を解説する特集の第3回。今回はイーエムシーが提供するシステム「EGW+plus」について解説していく。同社はBEMSのシステムをなるべく最小限にとどめており、ユーザーにとって導入しやすいものになっている。
BEMSアグリゲータ幹事会社が提供するシステムの特長を解説する特集の第2回。今回は三井情報が提供するシステム「GeM2」について解説していく。同社は温度センサーの検出値を監視し、空調機器の設定温度を細かく制御することで、ピーク時に限らず、1日全体の消費電力量削減を目指している。
BEMSアグリゲータ幹事会社が提供するシステムの特長を解説していく特集の第1回。日本テクノが提供するシステムについて解説していく。同社は機器の完全自動制御よりも、消費電力量の見える化で一人一人の節電意識を高めることに重点を置いている。
京セラが取り組む「自動デマンドレスポンス」への取り組みが着実な成果を残している。ネガワット取引実現などの実証事業に参加。特に食品スーパーをベースとした試験で大きな成果を出している。しかし、その裏には地道な取り組みがあった。京セラ 東京事務所 研究開発本部 ソフトウェアラボ システム研究部責任者の草野吉雅氏に話を聞いた。
社会課題としての電力消費の削減が大きな注目を集める中、導入が徐々に広がり始めているのがEMS(エネルギーマネジメントシステム)である。省エネ・新エネに関する展示会「ENEX2016」内において、関東経済産業局およびESCO推進協議会が展示会内展示会として開催した「省エネルギ―フェア2016」の様子を紹介する。
NTTグループなどの通信インフラ構築を手掛ける日本コムシスと、BAS(ビルオートメーションシステム)やBEMS(ビルエネルギー管理システム)を展開するネットワーク・コーポレーション(以下、NWC)は2015年9月17日、東京都内で会見を開き、既設の中小規模ビルを中心としたBAS/BEMS事業で協業すると発表した。
小売全面自由化が始まると、事業者間で電力の売買が活発になっていく。発電した電力だけではなくて、節電した電力の取引も可能になる。「ネガワット取引」と呼ばれるもので、需要が増加する時間帯に使用量の削減分を売ることができる。2020年には卸電力市場でもネガワット取引が始まる。
中小規模のビルを対象にエネルギー管理体制を整備する目的で始まったBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)の補助金制度が10月末で終了した。予定の実施期間を4カ月も前倒ししたとはいえ、申請件数は1年6カ月の累計で6728件にとどまり、目標の1万件を大幅に下回る結果になった。
中小規模のビルを対象に2012年度から始まったBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)の補助金の申請期限が10月末に迫ってきた。当初の予定よりも4カ月早く終了することになり、残り1カ月の時点で申請件数は目標を大きく下回る7320件にとどまっている。不振の要因は2つ考えられる。
2012年度から2年間の予定で実施中の補助金が4カ月も早く終了することになった。BEMS/HEMS(ビル/家庭向けエネルギー管理システム)と定置用リチウムイオン蓄電池の導入を補助する制度だが、復興関連予算を厳格に執行するために期間を短縮して106億円を国庫に返還する。
NECはビル管理システム「Butics」にBEMS機能を追加し、蓄電池や太陽光発電システムを含めた節電対策ができるようにした。タブレット端末を使った見える化や、クラウドを利用した複数ビルの管理などの機能も強化している。
関西電力は政府の予想によれば今夏の電力需給予備率が3.0%と9電力では最も低い。BEMSアグリゲーターであるベンチャー企業、洸陽電機は、楽天、大塚商会と協業し、関西電力管内の企業に対してネガワットソリューションを広げていく。節電に対する報奨金が電力会社から得られるというものだ。
首相官邸が公開した2013年夏の電力需給状況は比較的明るい。全ての電力会社において、予備率3%以上を確保できる見通しだからだ。ただし、発電所の事故などをカバーする手段は必要だ。節電が1つ、もう1つはBEMSアグリゲータを介した需要調整だ。
3月に破産したイーエムシーのBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)の事業を承継する会社が決まり、5月7日からサービスを開始した。写真プリンタや環境関連機器を製造・販売するノーリツ鋼機の子会社「NKワークス」が101か所の導入済みシステムを含めて受け継ぐ。
経済産業省の補助金制度でBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を提供できるアグリゲータの1社、「イーエムシー」の破産が3月15日に確定した。補助金を運営するSII(環境共創イニシアチブ)は同日、イーエムシーから業務の継続不能に関する報告を受けた。
経済産業省が2013年度に130億円の予算で実施するMEMS(マンション向けエネルギー管理システム)の補助金制度の概要が決まった。補助金の対象になるアグリゲータとシステムを4月中に発表して適用を開始する。マンション1棟あたりの補助金は平均1600万円程度を見込む。
エネルギーの効率的な利用の必要性が叫ばれているにもかかわらず、BEMSの導入は思うように進んでいない。「環境不動産(グリーンビルディング)」として不動産価値へ転嫁でき、デマンドレスポンスの制度普及によって新たな収入源をもたらすような変革が必要だ。
電気料金が値上がりして、節電は企業や商店にとって大きな課題になっている。ビル単位で消費エネルギー量を制御して節電を実現するのが「BEMS(ビル向けエネルギー管理システム)」だ。
オフィスの節電対策に有効なBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を推進する国の補助金制度が揺れ動いている。夏から低迷していた申請件数が11月になって大幅に増えたものの、特定のアグリゲータからの申請が大半を占めており、まだ本格的な拡大には至っていない状況だ。
東京工業大学の大岡山キャンパスに今春完成した「環境エネルギーイノベーション棟」と、キャンパス内のほかの建物を接続するスマートグリッドの構築が始まった。まずは、太陽光発電システムの発電状況と、電力需要に応じて、空調機器の運転を制御する機能から構築していく。
日立製作所はBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)「BIVALE」に、空調機器の運転スケジュールを自動で決めるオプションを追加し、提供を始めた。天気予報から空調機器を制御する予定を決めるサービスだ。
東京ガスは中小規模の業務用施設に向けたBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)「楽省BEMS」を開発したことを明らかにした。空調などの電気機器だけでなく、ガスヒートポンプなどのガス設備を制御する機能を持つことが特長。
3か月前から申請件数が大幅に減少してしまった政府のBEMS補助金。直近の1か月間でも上向く兆しは見えず、開始から半年の累計で1800件あまりにとどまっている。2年間で1万件の目標を達成するには、アグリゲータの入れ替えを含む抜本的な対策が必要な状況になってきた。
節電に効果のあるBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を無料で使えるサービスが始まった。契約電力が500kW未満のオフィスなどを対象にしたサービスで、電気料金の削減分をシェアする仕組みだ。コストをかけずにBEMSを使った節電対策が可能になる。
効果のある節電対策を立てるには、消費電力量をなるべく細かい単位で把握する必要がある。見えない無駄が見えてくるからだ。イトーキはコンセントの差込口ごとの消費電力量までつかめる電力見える化システムを発売した。
節電のためにBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)や電力の見える化システムなどといった機器を導入する企業が増えている。しかし、ビルの1フロア、あるいは1室だけという規模の中小企業では、BEMSなどの機器は導入しにくい。そこで役に立つのが「スマートタップ」だ。
夏の節電では、需要が最も集中する時間帯の電力消費量を抑えることが最も重要なポイントとなる。この時間帯の消費電力量が電力会社の供給可能な量を超えてしまうと大規模停電などの事故につながるからだ。また、この時間帯に節電して「デマンド値」を抑えると電力にかかるコストを大きく削減できる。
夏になると各電力会社は節電を呼びかける。特に国内のほとんどの原子力発電所が停止した今夏は、各地で消費者が厳しい節電を強いられている。「ゼロ・エネルギー・ビル/ゼロ・エネルギー・ハウス」は、年間に消費するエネルギー量がおおむねゼロになるという建物を指す。実現すれば、無理に節電する必要がなくなるかもしれない。
政府による節電要請期間に入り、空調機器の設定温度を28℃に設定する、会議室の照明をこまめに消す、エレベーターをなるべく使わないなどの節電策を打っている企業も多いはずだ。しかし、それぞれの対策にはどれほどの効果があるのだろうか? 本当にそこまで苦しい思いをしなければならないのだろうか? 「電力の見える化」を実行すればその答えが見える。
オフィスにある機器の中でも節電対策が面倒なのがサーバだ。サーバが動作しないと成り立たない業務も少なくないため、むやみに電源を切るわけにもいかない。本稿では、最近のサーバが搭載している基本的な節電対策機能を紹介する。
パソコンは個人ごとに使う機器のためか、節電対策を徹底している企業は意外に少ない。しかし1人で1台以上のパソコンを使っている場合もあり、スタッフの多いオフィスでは相当な電力を必要とする。基本的な対策によってパソコンの電力使用量を大幅に減らすことができる。
政府が進めるBEMSアグリゲータ制度には、各ビルに設置したBEMSが収集したデータをアグリゲータが管理するデータセンターに集め、一括管理するという特徴がある。イーエムシーはデータの一括管理にNECビッグローブのクラウドサービスを採用することを明らかにした。
BEMSアグリゲータ制度が始まり、オフィスビルの消費電力量をいかに削減するかというテーマに注目が集まっている。大阪ガスはビルで活動する人間の行動を分析し、その結果を反映させた“スマートエネルギービル”を完成させた。
8月に入って、いよいよ夏の節電対策の効果が問われる本番を迎えた。日本中の企業や自治体、店舗や工場で節電対策に取り組んでいるが、見落としがちな対策のひとつにプリンタの節電がある。最近のプリンタには消費電力を大幅に低減する機能が組み込まれており、節電に有効だ。
さまざまな難問をクリアしなければならない我が国のエネルギー政策に関して専門家による検討が進められている。このほど経済産業省の検討委員会が今後の重点施策をまとめた。その中で「省エネルギー対策の抜本的な強化」を第1に掲げ、具体的な取り組みとして7項目を示した。
今後の電力ネットワークで「スマートメーター」が果たす役割は大きい。従来のメーターと違って、企業や家庭の電力使用量を30分単位で計測できるため、需給状況に応じて変動する料金プランや節電に有効な新しいサービスを実現しやすくなる。政府は5年後に8割の導入率を目指す。
夏に入り、経済産業省からBEMSアグリゲータの認定を受けた各企業は、製品の売り込みを本格化させてきた。パナソニックESエンジニアリングの協力企業であるパナソニック システムソリューションズ ジャパンは、新たに補助金対象となったBEMSの受注を始めた。
今夏に向けて、PCメーカー各社はPCの電力設定を制御する独自ソフトを改良し、従来よりも積極的に節電する設定が可能になった。しかし、メーカー独自ソフトはそのメーカーのPCでしか使えないことが多い。機種を問わずに使える電力設定を制御するソフトの無料配布が始まった。
企業における節電活動の一つとして、各従業員が使用しているパソコンの電力設定を変更するという方法が挙げられる。社内のPCの電力設定を一括で変更するサーバもあるが、高価なものが多い。トレンドマイクロは、同社のウイルス対策ソフトのオプションとして、社内のPCの電力設定を一括で変更するオプションの提供を始めた。
BEMSアグリゲータ制度が始まり、幹事企業は本格的な売り込みに入っている。NECは10月から提供を開始する、BEMS補助金対象システムを発表した。自動的な節電機能を備えるだけでなく、人間に節電を強く意識させる機能を盛り込んだ。
オフィスやビル、家庭で消費した電力を「見える化」するシステムが各メーカーから登場している。NECは見える化システムに空調や照明などの機器の運転を自動制御する機能を付け加えた。自動的な節電機能を加えることで、本格的なEMS(エネルギー管理システム)として売り出す。
小規模な店舗やオフィスを対象に、安価な電力見える化システムが登場した。パソコンやプリンタを専用の機器でコンセントに接続すると電力使用量を測定することができて、工事は不要である。デマンドコントローラと組み合わせて電気料金の削減につなげることも可能だ。
東京電力が今夏の電力需要を削減するために、5種類の新サービスを複数の企業と共同で開始することを発表した。その一環で中小企業向けの「ピーク需要抑制シナジー事業」を日立製作所など3社と7月1日から実施する。
夏を目前にBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)の製品発表が相次いでいる。三菱電機はグループ内のビルテクノサービスと組んで、小規模ビルのオーナーや管理会社向けにBEMSとクラウドによる運用サポートサービスを開始した。
照明機器が消費する電力量を抑えるためにLED照明を導入する例が増えているが、節電活動の効果を上げるには、照明を細かく点灯/消灯するなどの工夫も必要だ。パナソニックはビル全体にある照明器具1台1台を一括管理するシステムの販売を始める。
ファミリーマートが最新の節電技術を取り入れたコンビニエンスストアを6月に北九州市でオープンする。太陽光発電と蓄電システム、BEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を使って店舗の電力を最適に制御するほか、地域全体の電力需給バランスも調整できる。
欧米で約150社の大手企業が導入している電力管理システムが日本でも市場拡大に乗り出す。米国インテルが出資するジューレックス社のシステムで、サーバーやプリンタなどデジタル機器の消費電力をリアルタイムに管理・制御できる点が特徴だ。
富士通はビルや工場、店舗などを対象にしたエネルギー管理システムを6月末から提供する。企業が複数の拠点のエネルギーを一元的に管理できるように、電力データをクラウドネットワークで収集して、使用量の分析や機器の遠隔制御を可能にする。
BEMSアグリゲータの制度が始まり、中小ビルにおける電力使用量削減が大きな問題になりつつある。NECは防犯、防災の機能も備えるビルオートメーションシステムに電力の見える化機能を追加したシステムの販売を開始した。
節電対策の1つとして、消費電力量の見える化が挙げられる。しかし、見える化を実現するシステムは高価なものが多い。富士通は見える化に役立つ電源プラグを2つセット10,000円という価格で発売する。
政府からBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)の補助金を受けられるアグリゲータとして認定された21社の中で、NTTファシリティーズがオフィスや店舗向けの「エネルギー管理支援サービス」を5月10日から開始した。
LED照明や発電システムなど、節電に直接役立つ機器が注目を集めている。しかし、各メーカーが販売している「電力の見える化」システムに目を向けると、「活用法が分からない」という人が多いのではないだろうか。前編では、電力の見える化システムの基本的かつ効果的な利用法を解説する。
後編では、具体的に見える化システムを活用した例を紹介する。見える化システムで課題を洗い出した例のほか、見える化システムを使って初めて大きな無駄を見付けたという例などを取り上げ、解説する。
電力需要が増加する夏を前に、多くの企業で節電対策が急ピッチに進んでいる。毎日の電力使用量をきめ細かく管理しながら抑制するためには、コンピュータを使ったBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)が最も有効な手段になる。
企業が電力会社に支払う電気料金は、30分ごとに計測される電力使用量の最大値によって変動する。その最大値を抑えるための装置が「デマンドコントローラ」で、電気料金を引き下げるための有効な手段として注目を集めている。
「エネルギー管理システム」と呼ぶものの中でも、管理する拠点にサーバを設置せずに、データをすべてインターネット上のサーバに送るものが増えてきた。富士ソフトはマイクロソフトのWindows Azureを利用したサービスの提供を始める。