市庁舎と駅周辺のビルをBEMSで連携、電力のピークを20%削減へスマートシティ

神奈川県の川崎市がBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を活用した地域の節電対策に取り組む。川崎駅の周辺地域を対象に、市庁舎と民間のビルの電力使用量を統合型のBEMSで一括管理する実証実験を10月から開始する予定だ。最大20%の電力ピークカットを目指す。

» 2013年08月09日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 実施するプロジェクトは「川崎駅周辺地区スマートコミュニティ実証事業」のひとつで、東芝が提案して採用されたものである。JR川崎駅は1日の乗降客数が約20万人にのぼるターミナル駅で、周辺には大規模な商業施設やオフィスビルが集まっている。都市機能が集積する地域を対象に、複数のビルを連携したエネルギーの効率化を図る。

 実証実験には東芝グループのほかに、鹿島建設と東京ガス、川崎市や川崎商工会議所などが参画する予定だ。東芝が2013年10月にオープンする「スマートコミュニティセンター」の中に統合型のBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を設置して、参加する自治体や民間企業が運営するビルとインターネットで接続する(図1)

図1 統合BEMSを使った実証実験のイメージ。出典:東芝

 統合BEMSが各ビルの電力使用量を見える化しながら、全体の最適化を図る。実証実験は2013年10月から2014年3月までの6カ月間を予定している。その間に対象のビル全体で電力のピークを最大20%削減することを目指す。川崎市の庁舎では地上17階建ての第3庁舎が実証実験の対象になる。

 東芝は最先端の環境配慮型オフィスビルとして、川崎駅前にスマートコミュニティセンターを建設した(図2)。地上15階建てのビルに、東芝グループの従業員7800人が入居する予定だ。最大の特徴がBEMSを活用したエネルギー管理で、空調や照明のほかにエレベータやOA機器を含めてエリア単位に機器を制御することができる。このBEMSを地域全体のエネルギー管理にも応用する。

図2 東芝の「スマートコミュニティセンター」。出典:東芝

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