地域単位で効率良く電力を使うことを目指して多様な実証実験が続いている「けいはんなエコシティ次世代エネルギー・社会システム実証プロジェクト」で、CEMS(地域エネルギー管理システム)と連携したBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)の稼働が本格的に始まった。
BEMSを設置したビルは「けいはんなプラザビル(京都府相楽郡精華町)」(図1)。関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)の中核となるビルで、さまざまな企業が入居しているほか、ショッピングセンターやホール、ホテルなど多様な施設を備えている。
準備は2012年9月から始まっており、11月にはテナントごとにスマートメーターと電力消費量を表示する機器を導入し、BEMSとCEMSも連携させてデマンド・レスポンスの実験を実施している。12月には大規模なリチウムイオン蓄電池(蓄電容量は30kWh)を導入し、ピークシフトの実験も済ませた。
2013年2月にはけいはんなプラザホテルの客室5室に、電力消費量を計測する機器や表示する機器を設置した。けいはんなプラザホテルでは、この5室を利用して、宿泊客に省エネを意識させる「エコ宿泊プラン」を用意する。
今後は、BEMSがCEMSと連携しながら施設内の照明や空調などの機器を効率よく稼働させるように管理し、必要に応じて蓄電池を利用したピークシフトも実施する。電力需要が過大になりそうなときは、各テナントに設置したスマートメーターと通信してテナントなど需要者側で電力消費量を抑えるデマンドレスポンスで対応していく(図2)。今回のBEMS導入による効果は2014年度末まで検証を続ける。
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