BEMSでガス空調と電気空調を使い分け、夏季に29%の省エネに成功エネルギー管理

日本土地建物は自社保有ビルの1つである「日土地内幸町ビル」(東京都千代田区内幸町)に日立製作所のBEMSを導入し、空調機器を制御させた結果を明らかにした。ガス空調と電気空調を使い分けることで2010年度と比べて空調機器が消費したエネルギー量をおよそ29%削減できた。

» 2012年11月28日 13時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]
図1 日土地内幸町ビル

 日本土地建物が日土地内幸町ビル(図1)に導入したBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)は、日立製作所 都市開発システム社の「BIVALE」。2012年2月1日から検証を兼ねて利用を始めていた。

 日土地内幸町ビルにはガスで駆動する空調機器と、電気で動作する空調機器の両方が設置してある。同じ空調機器でも、これら2種類の空調機器では消費エネルギーに対する稼働効率が異なる。さらに、それぞれの動力源であるガスと電気は季節や時間帯によって単価が変動する。

 ガスを利用する空調機器では、水を冷やして室内機に送り込むことで冷気を吹き出させる仕組みになっている。流す水の温度を上げると、水を冷やすために必要なエネルギーを節約できるが、水を流すためのポンプが余計にエネルギーを消費する。日土地内幸町ビルでは、昨年まではビル管理者が水の温度や流量を手動で制御していた。

 今夏はBIVALEにガスと電力のそれぞれの単価を入力し、ガス空調と電気空調の最適な組み合わせや、ガス空調で流す水の温度と量を5分ごとに計算させ、機器を制御させた。その結果、ビル管理者が手動で制御していた2010年度と比較して、エネルギー消費量をおよそ29%削減できた。

図2 日土地内幸町ビルにおけるBIVALEのシステム構成

 日本土地建物と日立製作所は今後、冬季の空調機器の制御効果を検証する。結果次第では、ほかのビルへの新規導入も検討するとしている。

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