資源エネルギー庁の「分散型エネルギー推進戦略ワーキンググループ」第2回会合で、2040年度における蓄電池などの分散型エネルギーリソースの導入見通しや、リソースごとの導入課題に向けた施策の方向性が示された。
蓄電池やDRといった分散型エネルギーリソース(DER)の導入拡大に向けては、2040年エネルギーミックスを踏まえ、さまざまな不確実性を考慮したうえで、具体的な導入促進のあり方を検討する必要がある。
このため資源エネルギー庁の「分散型エネルギー推進戦略ワーキンググループ(WG)」第2回会合では、3つの機関が試算した2040年度のDERの導入見通しを示すとともに、各リソースの課題等を踏まえた、2040年度に向けた施策の方向性が示された。
第2回分散型エネルギー推進戦略WGでは、電力広域的運営推進機関、McKinsey & Company、三菱総合研究所の3つの機関から、2040年度の需要側・供給側リソースの導入見通しが報告された。対象リソースごとの推計の考え方は以下の通りである。
なお、広域機関からの報告内容は、「将来の電力需給シナリオに関する検討会」報告書の概要であるため、関連記事「2040・2050年の電力需給の見通しは? シナリオ別の試算結果が公表」を参照願いたい。
三菱総研では、家庭用蓄電システムについて設置先を「1.新築住宅」「2.既築住宅(太陽光発電:PV未設置)」「3.既築住宅(PV既設)」に区分し、各設置先における足元の導入トレンド等を踏まえ、2040年における導入量を推計した。
足元2024年度時点の新築着工数(フロー)に対する蓄電システム導入割合は24%であるが、近年の増加トレンドを踏まえ、2040年には60%に達すると想定し、新築住宅向け蓄電システム導入台数は、2040年時点で約8万台(フロー)と推計された。
同様に、既築(PV未設置)では約17万台、既築(PV既設)では約5万台と推計され、これらを合計すると2040年時点の家庭用蓄電システム導入数はフローで約31万台、ストックで約575万台と推計された。これは、2040年には家庭用蓄電システムはPV設置済み住宅の8割以上に導入されることを意味しており、ほぼ上限に近い導入見通しであると考えられる。
家庭用蓄電システムの1台あたり容量が9.5kWhで推移すると想定した場合、2040年時点ではストックで約53GWh(約31GW)の導入が見込まれる。
業務・産業用蓄電システムについては主な設置先として、「1.自治体関連施設」「2.小売店舗」「3.工場」「4.医院・動物病院」を想定し、足元の導入動向や制度上の目標水準等を踏まえ、2040年における導入量は合計5.5GWh(1.6GW)と推計された。
施設件数に対する蓄電システムの導入割合見通しは、「1.自治体で35%」「2.店舗」や「4.病院」で15%、「3.工場」で5%と低いが、導入意思決定に際して採算性が求められることを踏まえると、上限に近い水準であると考えられる。
以上より、家庭用32GW、業務・産業用1.6GWの合計で、需要側蓄電池導入量は33GW(表1では3,300万kW)と推計された。全体の9割以上が家庭用であるため、家庭用の導入状況次第で合計導入量が大きく変わり得ると考えられる。
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