火災や破裂等の事故防止と並び、サイバーセキュリティの確保も重要である。IoT製品のセキュリティレベルに関するラベリング制度「JC-STAR」が2025年3月に開始され、現在はその最低限の基準となる「★1」の申請受付が行われている。
系統用蓄電池については、バックドアの設置等を含むサプライチェーン・リスクを含むサイバー攻撃等への対策が重要であることを踏まえ、各種補助金や長期脱炭素電源オークションの第3回入札(2026年1月)では、蓄電システムにおける制御システムに関係するBMS、PCS、EMS等について、JC-STAR★1の取得を要件とした。
また系統用蓄電池以外についても、2027年4月(低圧は10月)以降に新規に系統接続する太陽光発電及び蓄電池は、グリッドコードの一つである系統連系技術要件において、JC-STAR★1を取得した通信機能を有する制御システム(PCS、EMS等)の利用を要件化することが決定されている。
なお、★1はあくまで基礎的な要件であるため、今後、JC-STAR制度★2以上の基準の整備や導入について議論を進めていく予定としている。
DRに使用される分散型エネルギーリソースとしては、蓄電池以外にもヒートポンプ給湯機やハイブリッド給湯機があるが、これらのリソースの「DR ready要件」においても当面はJC-STAR★1以上を求め、今後はJC-STAR★2が要件となる場合があると留保されている。
蓄電池は現代社会に不可欠な製品であり、エネルギー安全保障の観点からも安定的な調達が重要である。蓄電池について米国は特定国の事業体による事業への関与を規制したほか、中国はリチウムイオン電池関連部素材の輸出管理を拡大するなど、サプライチェーン上のリスクが高まりつつある。
このため日本でも、蓄電池は2022年12月に経済安全保障推進法に基づく「特定重要物資」に指定され、安定供給確保に向けた各種取組が推進されている。
また、長期脱炭素電源オークションの第3回入札(2026年1月)では、セルの供給源多角化の観点からセル製造国の1国当たり募集上限(kWベースで30%未満)を設けたが、特定国のメーカーがさまざまな国でセルを製造しているため、蓄電池の大半は特定国メーカーのセルを使用しており、引き続きサプライチェーン途絶リスクが高い状況にある。
このため来年度の第4回入札では、経済安保推進法に基づく蓄電池の「供給確保計画」の認定を受けているメーカーが製造するセルを活用する蓄電池の案件を優先的に約定(落札)するという方針が示された。
系統用蓄電池の「接続契約申込」量は2025年12月末時点で約3,800件・約2,900万kWであり、表1の2040年度導入見通しをすでに大きく超過している。
現時点、系統用蓄電池の多くは、その収入の大半を需給調整市場に依存しており、昼間の余剰再エネ電力を蓄電し、夕方の需要ピーク時などに放電・供給するいわゆる「アービトラージ」活用は限定的である。
今後は、時間シフトによる再エネの最大活用への貢献や系統混雑緩和への貢献といった、蓄電池が持つ価値の最大限の活用を促進するとともに、地域との共生や長期安定的な蓄電池事業への取組みの促進に向けた政策措置を検討する予定としている。
系統用蓄電池の接続手続きの規律を強化 順潮流側ノンファーム型接続に「計画値制御」も導入へ
蓄電所向けの防音パネル 20dB以上の防音を可能に
太陽光発電の未来を占う試金石に──再エネ「FIP転換」の実像と留意点Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10