家庭用給湯器のさらなる省エネ化と非化石エネルギーの推進に向け、政府は現行の省エネ法におけるトップランナー制度を改定する方針だ。資源エネルギー庁の「家庭用温水機器判断基準ワーキンググループ」はこのほど、その新制度に関するとりまとめ案を公表した。
家庭部門は日本の最終エネルギー使用量の約15%を占めており、地球温暖化対策計画において家庭部門では、2030年度に▲66%、2040年度に▲71〜81%のCO2削減(2013年度比)が目標とされている。家庭におけるエネルギー消費の約3割は給湯用途であるため、給湯器のさらなる省エネ化・非化石エネルギーへの転換は、削減目標の達成に不可欠である。
しかしながら、これまで省エネ法のトップランナー(TR)制度では、給湯器の省エネ目標基準は設定されてきたが、非化石エネルギー転換に向けた目標基準は設定されていない。また、従来のTR制度では、目標は機器タイプごとに設けられてきたが、すでに多くの機器では省エネの限界に近づきつつあり、大きな削減を達成するためには、異なる機器・エネルギー種への転換も必要とされている。
このため資源エネルギー庁では、新しいかたちのTR制度として、給湯器カテゴリー全体を対象として、エネルギー種横断で化石エネルギー消費量の削減(非化石エネルギー転換)を図る、新制度を導入することとした。
資源エネルギー庁の「家庭用温水機器判断基準ワーキンググループ(WG)」では、基準値の設定等の制度詳細の検討を行い、WG第3回会合では、その取りまとめが行われた。
給湯器の省エネ・非化石エネ転換を目的とした新たなTR制度は、いくつかの点で従来のTR制度とは異なるユニークな仕組み・考え方を導入している。
まず、制度の対象事業者は、給湯器(ガス・電気)の生産量又は輸入量が一定数以上の製造事業者・輸入事業者である。本制度では「エネルギー種横断」を基本コンセプトとしているものの、石油給湯器は大幅な効率改善が技術的に難しく、寒冷地の生活に不可欠であるため、現時点では本制度の対象とはされていない。
国は、気候や住宅面積等の観点から高効率給湯器の導入が可能(合理的)な環境では高効率給湯器を、それ以外の環境では潜熱回収型給湯器(エコジョーズ)の出荷を求めている。本制度において高効率給湯器とは、ヒートポンプ給湯機(エコキュート)、ハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池(エネファーム)を指している。
なお給湯器は、気候(寒冷地/温暖地)や住宅タイプ(戸建/集合住宅)の違いにより、一般的に導入される設備のタイプ(エネルギー源)が大きく異なり、製造事業者等の製品ラインアップや製品種ミックスも各社で大きく異なる。
本制度は、複数の製品種を対象としてバスケット方式のようなかたちで目標達成を求めるものであるため、国が一律の義務的目標を定めることは適切ではない。このため、目標は製造・輸入事業者自らが設定し、その自主目標を達成することが求められる。国は、自主目標設定にあたっての定性的・定量的な「目安」を提示することとしている。
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