太陽光を一括りにしない政策を──JPEAが提言する「良い太陽光」の選別支援という処方箋(1/2 ページ)

地上設置型の事業用太陽光を一律に支援対象から外してしまってよいのか。国の太陽光発電政策に対し、太陽光発電協会(JPEA)が提言をまとめた。タイトルは、「良い太陽光を選別して政策的な支援を」。いま進めるべき「良い太陽光」とは何なのか──提言の内容をひもとく。

» 2026年07月21日 07時00分 公開
[廣町公則スマートジャパン]

 JPEAが提言の前提として示すのが、世界と日本の落差だ。世界の太陽光新規導入量は2025年に約698GW(DC)に達し、2014年からの11年間で17倍超に拡大した。累計導入量も2025年末で3TWに到達している。これに対し日本の新規導入量は減少傾向にあり、世界に占める割合は2025年に0.8%程度にまで低下し(JPEAに推定)、年間導入量トップ10圏外に転落した。

 一方でコスト面を見ると、世界的には、太陽光単独の場合はもちろん、蓄電池併設の場合においてもLCOE(均等化発電原価)は着実に低減してきている。この傾向は、日本でも変わらない。太陽光と蓄電池の組み合わせは、「火力電源より割安な安定電源になりつつある」(JPEA)。

 IRENA(国際再生可能エネルギー機関)が2026年5月に公開した「蓄電池併設により安定化(信頼度95%)された太陽光発電のコスト」によれば、そのLCOEは2020〜2025年の5年間で31%低下。2025〜2035年にはさらに48%の低下が見込まれている。

太陽光発電のコスト推移の見通し 出典:IRENA

JPEAによる「良い太陽光」の三類型

 こうした状況を受けてJPEAが打ち出したのが、地上設置型の事業用太陽光を一律に排除するのではなく、一定の条件を満たす案件を選別して、政策的な支援を継続すべきだという提案だ。「エネルギー自給率の向上」「地域の再エネ関連雇用・投資の維持」「政府自身が掲げる2040年太陽光23〜29%目標の達成」には、屋根設置太陽光だけでは不十分であり、地上設置型事業用太陽光の導入拡大が引き続き不可欠だという問題意識がその出発点にある。

 JPEAが示す「良い太陽光」の類型は次の3つだ。

1.需給一体型

 既に人為的に改変され現在も利用されている電力需要地を活用するモデル。工場・物流施設、駐車場、空港、ため池やダムでの水上設置などが、これに該当する。このモデルは、新たな自然改変(造成)を伴わないため「迅速な導入」が可能であり、電力需要地に直結するため系統混雑を回避できるなど「系統負担の軽減」に貢献する。また、中小企業を含むサプライチェーンの脱炭素化、電気代削減にも直結する。

2.太陽光発電活用型・農業型

 農業の持続または地域コミュニティの維持・強化を前提とし、地域合意が形成されたモデル。営農型太陽光、地産地消型の地域マイクログリッド、自治体と連携した防災拠点活用などが対象となる。このモデルは、売電収入による農業経営の安定化を通じて離農を防ぎ、農地や担い手など国内の食料生産基盤の維持に役立ち、「食料安全保障」に貢献する。さらに、災害時の自立分散型電源としての地域の防災機能を強化するとともに、「国土強靭化」にも資するものとなる。

3.既造成地・ネイチャーポジティブ型

 現在は使われず荒廃化が進み、再利用が困難となった土地を再エネ用地として活用し、適切な管理を通じて自然環境の再生に貢献するモデル。対象例としては、耕作放棄地(再生困難な農地)、ゴルフ場跡地、スキー場跡地、最終処分場跡地、採石場跡地などが挙げられる。再エネ事業の収益を環境管理に充てることで、国土の再生と生物多様性向上に貢献。「負の遺産の再生」と「環境価値の創出」に役立つものとなる。

JPEAが示す「良い太陽光」の3類型 出典:IRENA

 JPEAはこれら3類型について、FIT/FIP制度を活用した支援を継続し、制度内で厳格に選別・管理する仕組みを維持・強化することを求めている。

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