さらに提言は、地域に貢献する「良い太陽光」を判定するための視点として、次の3つを挙げる。
JPEAは、これらの視点をベースに要件を整理し、地上設置の事業用太陽光であっても、一定の要件を満たす「良い太陽光」に対しては、FIT/FIP制度の継続も含めて、支援を行っていくへきだと訴える。特に、FIPについては、「FIPの最低保証による価格下支え効果が高く、インフレ局面では、低い固定価格が国民利益となり得る」と、その意義を評価する。
JPEAは提言の背景として、太陽光発電がもたらす便益を「地球・人類(グローバル)」「国家・国民(ナショナル)」「地域・住民(ローカル)」の3層構造で整理している。地球レベルでは温室効果ガス排出量の削減、国レベルでは化石燃料輸入に伴う国富流出の抑制やエネルギー自給率向上、地域レベルでは地域経済貢献や遊休地の有効活用、雇用創出などが挙げられる。
日本の化石エネルギー依存度は2024年度時点で80.1%、エネルギー自給率は16.3%と主要国の中でも低水準にとどまる。太陽光は燃料調達が不要な国内電源であり、設備さえ導入すれば20年以上にわたり燃料を必要とせずに発電を続けられる。太陽光発電設備のエネルギーペイバックタイムは1〜2年と短く、ライフサイクルCO2排出量は火力発電より大幅に低い。
太陽光発電は、日本の高い化石燃料依存(80.1%)を改善し、エネルギー自給率の向上と脱炭素を同時に前進させ得るものだ。しかも、コスト競争力と長期安定稼働の技術が、すでに確立した電源でもある。一方で、化石燃料依存のリスクは、ホルムズ海峡の現状をみても明らかだろう。
JPEAの提言が投げかけているのは、支援の「量」を絞る代わりに「質」で選別するという発想の転換だ。需要地に直結し、農業や地域コミュニティと共存し、荒廃地を再生する太陽光発電であれば、国としても支援を続ける価値があるだろう。2027年度以降の太陽光政策には未確定な要素も多く、詳細制度設計はこれからだ。JPEAが示した「良い太陽光」への選択的支援が、その議論のたたき台としてどこまで採用されるかが焦点となる。
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省エネ・非化石転換はどこまで進んでいるのか? 足元の状況と新制度の動向Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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