大阪の新施設で自動デマンドレスポンス実証、スマートコミュニティの構築へ

大阪府豊中市にある「よみうり文化センター」を建て替えた新たな商業施設に、自動デマンドレスポンスシステムが導入された。関西電力からの電力需要の抑制要請に応じてバックヤード部分の空調を自動調整する。

» 2015年07月02日 09時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 読売新聞大阪本社と読売テレビ放送は、MID都市開発、関電不動産、関西電力の関電グループ3社(以下、関電グループ)を共同事業者とし、大阪府豊中市の千里中央駅前にある総合カルチャーセンター「よみうり文化センター」の再整備事業を進めている。このうち商業施設「SENRITOよみうり」のI期棟の一部(図2)が2015年7月1日にオープンした。その空調設備にスマートコミュニティの実現に向けた取り組みとして、自動デマンドレスポンスシステム(以下、自動DRシステム)を採用した。

図1 「SENRITOよみうり」のI期棟の外観 出典:関西電力

 自動DRシステムは関西電力から電力需要の抑制要請が発動された際に、商業施設のバックヤード部分における空調設備の設定温度を自動調整して、テナントの運営に影響を与えない範囲で消費電力を抑制する。制御機器は海外で多くの実績を持つコンバージ社の製品を国内初導入した。システムの運用・制御については施設管理を担当する関電グループのMIDファシリティマネジメントが実施する予定だ。

 I期棟で自動DRシステムの実証試験を行い、その成果を踏まえて2017年春に開業予定のII期棟の商業施設と、関電グループが建設し2019年春に完成予定のタワーマンションにも同システムを導入する計画だ。(図2)。

図2 自動DRシステムの今後の運用イメージ 出典:関西電力

 なおこの事業におけるスマートコミュニティ構想は、環境省や経済産業省の各補助事業に採択されている。今後も事業者側では千里中央地区およびその周辺地域全体でのスマートコミュニティの実現に向けた検討を進め、地域全体のエネルギー利用の効率化や再生可能エネルギーの有効活用に貢献する考えだ。

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