矢野経済研究所は2026年2月2日、国内のマイクログリッド構築市場に関する調査結果を発表した。
矢野経済研究所は2026年2月2日、国内のマイクログリッド構築市場に関する調査結果を発表した。設備・システムの調査・設計、構築費用を対象とした調査で、2025年度までの同市場の累計事業費は551億円と推計している。
マイクログリッドは特定の地域や施設内において、発電・蓄電設備や自営線など独立した電力網を持ち、非常時には上位系統からの電力供給を遮断する機能を備え、自立して電力を供給することが可能な系統(グリッド)と電力設備・システムの総称。マイクログリッド域内に電力を供給する際の電線の所有者によって、自営線マイクログリッドと地域マイクログリッドに分類される。
現在、国内で運転中の自営線マイクログリッドは、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた、太陽光発電導入容量が500kW未満の比較的小規模な事例が7割程度を占め、主流となっている。特定の施設やエリアに対する防災・レジリエンス(災害からの復旧・復興能力)強化を主目的とした導入が大半を占める。主に資源エネルギー庁補助事業によって導入が進んでいる地域マイクログリッドについても、同様に導入容量500kW未満の発電設備を有する例が7割以上を占める状況だ。
現在構築中および計画(調査・設計)段階のマイクログリッド案件においては、脱炭素先行地域づくり事業や重点対策加速化事業を活用した大型プロジェクトが増加傾向にあり、太陽光発電に加え、バイオマス発電、風力発電、小水力発電などを組み合わせた、電源の多様化が進んでいる。
マイクログリッドは、既存の再生可能エネルギー電源(卒FIT電源等)の活用先として検討されており、単なる非常用電源から、平常時の電力消費の脱炭素化をより大規模に推進するための電力設備・システムという位置づけが強くなりつつある。これまでは経済産業省や環境省の補助金事業によって構築が行われてきたが、今後も「脱炭素と地域レジリエンスの強化」を主目的とする自治体の主導によって、安定的に拡大する見込み。さらにこれまでの自治体主導の案件に加えて、系統用蓄電池によって収益性を確保する民間主導のマイクログリッド案件が発生する見通しだ。
こうした背景から国内におけるマイクログリッド構築市場規模は拡大傾向が続き、調査では2030年度までの累計事業費を735億円、2040年度までの累計事業費が810億円に達すると予測している。
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