矢野経済研究所は2026年1月20日、国内の蓄電所ビジネスに関する市場調査結果を発表した。
矢野経済研究所は2026年1月20日、国内の蓄電所ビジネスに関する市場調査結果を発表した。系統用蓄電池や再エネ併設型蓄電池を運用し、電力取引市場で収益を得る事業を対象としたもので、国内の同市場は2030年度に4240億円程度に拡大する見通しとしている。
足元の2024年度の事業者収入ベースで見た蓄電所ビジネスの市場規模は450億円と推計。売電先は需給調整市場が中心で、商品別では一次調整力での取り引きが多い。
しかし需給調整市場は2024年4月の全面開場以降、応札不足が慢性化している。同市場では入札価格の低い順に約定される「マルチプライスオークション方式」が採用されているため、応札不足の状況では入札者が価格決定力を有することとなる。売り手優位による市場価格の高騰を防ぐため、需給調整市場では三次調整力②以外の商品に入札上限価格が設定されている。2025年12月時点の上限価格は、複合商品・一次調整力・二次調整力①が19.51円/ΔkW・30分、二次調整力②・三次調整力①が7.21円/ΔkW・30分である。
需給調整市場における応札不足は2025年度も続いており、約定価格の高止まりが懸念されている。そこで、経済産業省 資源エネルギー庁は2025年10月29日の制度検討作業部会(第108回)において、複合商品・一次調整力・二次調整力①の上限価格を7.21円/ΔkW・30分に引き下げる案を示した。上限価格案は現行の設定価格の半分以下にあたり、決定されれば蓄電所ビジネスの収益環境に大きく影響する可能性がある。
2025年度の蓄電所ビジネス市場規模は750億円に拡大すると予測している。中長期的に見ると、再エネのさらなる普及により国内の蓄電所需要は大きく拡大する見通し政府は2030年度における系統用蓄電池の導入見通しを累計14.1〜23.8 GWhとしており、2030年度の蓄電所ビジネス市場規模は2024年度比約10倍の4240億円程度まで拡大すると予測した。
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