太陽光パネルの新たなリサイクル制度 第一段階では「大量排出者」を義務対象に第10回「太陽光発電設備リサイクル制度小委員会」(1/4 ページ)

経済産業省と環境省が、太陽光パネルの新たなリサイクル制度の設計に着手。従来の制度案を見直し、まずは多量の事業用太陽光パネルの排出者等を対象とし、段階的に規制強化と対象の拡大を進める方針が示された。

» 2026年01月27日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

 国内の太陽光発電(住宅/非住宅)の導入量は2025年3月末時点で7,680万kWに上る。使用済み太陽光パネルの排出量は2040年代前半にピークを迎え、50万t/年に上ると推計されている。

 使用済み太陽光パネルは、現在も「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき、排出者(太陽光発電事業者、解体事業者等)が適正に処理することが求められるが、現時点、そのリサイクルは義務付けられていない。

 このため環境省・経済産業省は、非FIT/非FIPも含むすべての太陽光発電設備を対象とした義務的なリサイクル制度の創設に向けて、2025年3月に「太陽光発電設備のリサイクル制度のあり方について」を取りまとめ、国会への法案提出を目指していた。

 しかしながら、当初の制度案は拡大生産者責任を踏まえ、太陽光パネルのメーカーや輸入業者に対してリサイクル費用の負担を求める内容であったため、家電や自動車等の他の国内リサイクル関連法では所有者負担であることとの整合性等が問題となり、法案提出が見送られた。

 このため両省の「太陽光発電設備リサイクル制度小委員会」では制度案を見直し、まずは多量の事業用太陽光パネルの排出者等を対象として、段階的に規制を強化し対象を拡大していく案が示された。

現時点の太陽光パネルリサイクルの課題

 現時点の太陽光パネルリサイクルの課題の一つがコストである。太陽光パネルのリサイクルを行っている中間処理業者を対象に環境省が調査を行ったところ、リサイクル費用(解体撤去、収集運搬を除く)の水準は8,000〜12,000円/kWであることが明らかとなった。

 現時点の埋立処分費用は2,000円/kW程度(※太陽光パネルリユース・リサイクル協会によれば破砕・埋立費用は4,000円/kW程度)であるため、自然体ではリサイクルが選択されにくい状況にある。

 また現時点では廃棄パネルの排出量が少ないため、リサイクル設備の稼働率が低いこともリサイクル費用が割高である一因となっている。結果として、家電や自動車等の他の製品と比べ、太陽光パネルでは製品価格に対するリサイクル費用の割合がかなり高い状態である。

表1.製品価格に対するリサイクル費用の割合 出典:太陽光リサイクル制度小委

 太陽光パネルリサイクルにおける第2の課題が、処理体制の不足である。現時点、使用済太陽光パネル専用のリサイクル施設は全国で93件、処理能力は約15万t/年であるが、8府県には施設が存在せず処理体制の偏在が生じている。今後の太陽光パネル排出量の増加に応じた全国的な施設の整備や処理能力の増強が求められる。

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