蓄電池等の低圧リソースや機器個別計測 2026年度から需給調整市場へ参入可能に第57回「需給調整市場検討小委員会」(1/4 ページ)

「需給調整市場検討小委員会」の第57回会合で、需給調整市場で2026年年度から始まる新制度における需要側リソースの市場参加条件等が整理された。

» 2025年10月15日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

 変動性再エネ電源の増加に伴い、調整力の確保が一層重要となっている。しかし、2024年からスタートした需給調整市場の全面開始以降、多くの商品・エリアにおいて応札不足が続いている。

 この解決策の一つとして期待されるのが、蓄電池等の需要側リソースの活用である。しかし現在の需給調整市場では、家庭用蓄電池等の低圧リソースは市場参加が認められていない。また低圧・高圧・特高のいずれも、需要側リソースが需給調整市場に参加する場合、「受電点」での計測が求められることが、実質的な参入障壁となっていた。

 このため、「次世代の分散型電力システムに関する検討会」等での議論を踏まえ、2026年度から、低圧リソースの需給調整市場参加や「機器個別」計測の導入を開始する予定としている。

 電力広域的運営推進機関の「需給調整市場検討小委員会」第57回会合では、2026年4月の新制度開始時点における需要側リソースの需給調整市場参加条件等が整理された。

機器個別計測(機器点での市場参入)のイメージ

 需要家内には、大小様々な負荷や自家発電設備、蓄電池等があり、制御できない(しない)リソースと制御可能なリソースに大別される。

 現在の制度では、需要側リソースが需給調整市場に参加する場合、「受電点」で調整力ΔkWの計測を行うため、特定のリソースを適切に制御したとしても、他のリソースが変動することにより、調整力としての供出量が埋もれてしまうという課題があった。これに対して、制御対象のリソースを機器点において個別に計測することにより、それぞれのリソースが供出した調整力に応じた対価を得ることが可能となる。

図1.受電点計測と機器点計測のイメージ 出典:需給調整市場検討小委員会

 なお、調整力精算時の不正防止の観点から、ΔkWのアセスメント(ΔkW評価)を行う計測点と、調整力の発動によって生じたkWh(調整力kWh)の精算を行う計測点は、一致させる必要がある。

 機器点においてΔkW評価と調整力kWhの計測を行うことを「機器個別計測」と定義し、2026年の制度導入に向けた検討が行われてきた。

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