安価かつ容易に導入可能、社内PCの電力設定を一括変更するソフトウェアエネルギー管理

企業における節電活動の一つとして、各従業員が使用しているパソコンの電力設定を変更するという方法が挙げられる。社内のPCの電力設定を一括で変更するサーバもあるが、高価なものが多い。トレンドマイクロは、同社のウイルス対策ソフトのオプションとして、社内のPCの電力設定を一括で変更するオプションの提供を始めた。

» 2012年07月05日 16時12分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 トレンドマイクロは2012年7月5日、同社が販売する企業向けウイルス対策ソフト「ウイルスバスターコーポレートエディション」のオプションとして、「Trend Micro Power Management オプション」の提供を始めると発表した。ウイルスバスターコーポレートエディションを管理するサーバで、社内PCの電力設定を一括で変更する機能を持つ。7月19日から出荷開始の予定。

 価格は100ユーザー版で23万円。2012年9月末までは「節電応援キャンペーン」として、定価の30%引きで提供する。キャンペーン価格は100ユーザー版で16万1000円。

 Trend Micro Power Management オプションの最大の特長は、環境が整っていれば簡単かつ安価に導入できるという点にある。多数のPCの電力設定を一括で変更することを可能にするソフトウェアは存在するが、ソフトウェアの価格が高い、専用サーバが必要になることが多く、なかなか手を出しにくい。

 今回トレンドマイクロが提供を始めたTrend Micro Power Management オプションは、ウイルスバスターコーポレートエディションを管理するサーバをそのまま利用できる。ウイルスバスターコーポレートエディションを導入しており、管理サーバがすでにある企業なら、少ない出費でPCの電力設定を一括変更するシステムを作れる。

 導入も容易だ。管理サーバにオプションをインストールするだけで良い。あとは、管理サーバがPCを操作するソフトウェアを各PCに自動で配信してくれる。

 設定できる項目は4つ。1つ目はディスプレイの電源を切るまでの時間。PCを操作せずに放置しておき、設定した時間が過ぎるとディスプレイの電源が切れる。2つ目はハードディスクの電源を切るまでの時間。ハードディスクを使用することなく、設定した時間が過ぎると、ハードディスクの電源が切れる。

 3つ目はスリープ状態に入るまでの時間、ユーザーが何も操作しないで、設定した時間が過ぎるとスリープ状態に移行する。4つ目は休止状態に入るまでの時間。スリープ状態の場合と同じように、設定した時間が過ぎるとスリープ状態に入る(図1)。

Setting 図1 電源設定を変更する画面

 サーバが管理するすべてのPCの設定を一律に変更するだけでなく、PCをいくつかのグループに分けて、グループごとに設定を変えることもできる。

 PCの電源設定を変更する機能だけでなく、PCの稼働時間、スタンバイに入っている時間のそれぞれの平均値を確認する機能や、管理している全PCが消費している電力量と、電気料金を表示する機能も備える(図2)。

Graph 図2 1週間の消費電力量と電気料金を表示した画面

 ただし、消費電力量の値は、ユーザーがあらかじめ設定した全PCの平均消費電力から算出するため、正確な値にはならない。目安と考えるべきだろう。電気料金もユーザーが入力した単価から算出する。

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