12万円で導入できる電力見える化システム、コンセントに接続して無線でデータ転送エネルギー管理

小規模な店舗やオフィスを対象に、安価な電力見える化システムが登場した。パソコンやプリンタを専用の機器でコンセントに接続すると電力使用量を測定することができて、工事は不要である。デマンドコントローラと組み合わせて電気料金の削減につなげることも可能だ。

» 2012年06月19日 16時24分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 大塚商会が発売した電力見える化システムは、管理用のパソコンに接続する「USBスティック」と電力使用量を測定する「スティング」と呼ぶ無線機器を組み合わせる(図1)。スティングをコンセントに接続して、そこからパソコンやプリンタなどに電力を供給する方法で、機器ごとの電力使用量を測定する仕組みだ。測定したデータは無線で管理用のパソコンに転送する。

ALT 図1 電力見える化システムの仕組み。出典:大塚商会

 4個のスティングを使って4台の機器の電力使用量を測定できるシステムが標準構成で、価格は12万円である。工事は不要で、管理用のパソコンにアプリケーションソフトをインストールだけで済む。スティングを追加すれば機器の台数を増やすことができる。追加のスティングは1台で1万4000円。

 さらに照明など建物に埋め込まれている機器の電力使用量を測定する方法もある。「ステルス」と呼ぶ別の測定機器を使って、同様に無線でデータを転送する。ただしステルスを使う場合は工事が必要になる。価格は親機の機能をもつ装置が1万7000円で、子機はスティングと同じ1万4000円である。

 単なる見える化だけではなく、電力使用量を制御するシステムへ拡張することもできる。電力メーターからの情報をもとに使用量を抑制するデマンドコントローラと組み合わせて実現する(図2)。電力使用量が設定値を超えそうな状態になると、デマンドコントローラからパソコンやスマートフォンなどにメールで警告を送る。これを受けて担当者が重要度の低い機器の電源を落とすなどの対策をとることが可能になる。

ALT 図2 デマンドコントローラと組み合わせたシステム。出典:大塚商会

 小規模な店舗やオフィスでは通常、電力会社から「高圧小口」(契約電力50kW以上500kW未満)で電力の供給を受けている。高圧小口の場合、30分ごとの電力使用量の最大値で電気料金が決まるため、デマンドコントローラを活用して電力使用量を抑制すれば、電気料金の削減につながる。

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