電力需要のピークをまとめて削減、BEMSアグリゲータ3社が共同で新サービスエネルギー管理

東京電力が今夏の電力需要を削減するために、5種類の新サービスを複数の企業と共同で開始することを発表した。その一環で中小企業向けの「ピーク需要抑制シナジー事業」を日立製作所など3社と7月1日から実施する。

» 2012年06月06日 18時19分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 中小企業を主な対象に、夏のピーク時の電力使用量を一括で削減する新しいサービスが7月1日から始まる。東京電力と「高圧小口」(契約電力50kW以上500kW未満)の契約を結んでいる企業向けに、日立製作所、ダイキン工業、エナリスの3社が共同で実施する。

 3社はBEMS(ビル向けエネルギー管理サービス)を提供するアグリゲータとして、政府が4月から開始した補助金制度で登録された21社のメンバーになっている。今後ほかのBEMSアグリゲータにも新サービスへの参画を呼びかけて、利用企業を拡大する方針だ。

 7月1日から始まる新サービスは「ピーク需要抑制シナジー事業」という名称で、東京電力が今夏から大企業向けに提供する新しい料金プランと同様のものである。東京電力の供給量が需要見込を下回ることが予想される場合に、東京電力から顧客企業に対して使用量の削減を依頼し、協力した企業には電気料金の割引などのインセンティブを提供する。この制度を日立製作所などのアグリゲータが仲介して、中小企業にも拡大する(図1)。

ALT 図1 「ピーク需要抑制シナジー事業」の全体像。出典:東京電力

 日立製作所が東京電力とビジネスアライアンス契約を結び、管理システムを含めて事業全体のとりまとめを担当。ダイキン工業とエナリスはBEMSを使った節電サービスを通じて電力使用量の削減を支援する。東京電力から支払われるインセンティブは、3社がBEMSのサービスメニューに組み込んで還元する方法をとる。

 実施期間は7月1日から9月30日までの3か月間を予定している。実際にどのくらいのピーク電力を削減できるのか、その効果が注目される。中小企業にとってはBEMSの導入と合わせて電気料金の削減につながる期待がある。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.