川崎市がBEMSで節電対策を強化、4施設で3100万円を上限にスマートシティ

神奈川県の川崎市が市庁舎など4つの施設にBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を導入する計画だ。合計3100万円を上限に、公募方式で事業者を選定する。国の補助金を活用しながら、2014年3月末までの1年間でBEMSによる節電対策に本格的に取り組む。

» 2013年03月01日 13時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 川崎市がBEMSを導入する施設は、市役所の庁舎の中で最も大きい第3庁舎(図1)のほか、市内の幸区にあるスポーツセンターなど合計4か所である。

図1 川崎市役所の第3庁舎。出典:川崎市庁舎案内

 このうち第3庁舎は地上17階建ての大規模ビルのため、今回はBEMSを導入する前の検討業務を事業者に委託して、次のステップでBEMSによるエネルギー管理を実施する予定だ。1000万円を上限に、既存設備の分析からBEMSの導入計画や設備改善の提案までを募る。

 一方、幸区にあるスポーツセンター、市民館・図書館、区役所出張所の3か所には最初からBEMSを導入する。システムの運用・保守やエネルギー消費量の集計・分析を含めて、総額2100万円を上限に設定した。国の補助金を活用できることが条件になっているため、応募できるのは補助金制度で認定されたBEMSアグリゲータに限られる。

 川崎市には湾岸地域に東京電力の大規模な火力発電所があるほか、日本で最大の太陽光発電所やバイオマス発電所が稼働している。国内有数のエネルギー供給基地の役割を担いながら、地球温暖化対策を兼ねてBEMSを活用したスマートシティ構想を推進中だ(図2)。今後さらに市有施設へのBEMSの導入を拡大して、再生可能エネルギーを活用した分散型エネルギー供給体制の構築にも取り組んでいく。

図2 川崎駅周辺で推進するスマートシティ構想。出典:川崎市財政局

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