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» 2012年08月08日 09時20分 UPDATE

エネルギー管理:今からでも遅くない!オフィスの節電対策 −パソコン編−

パソコンは個人ごとに使う機器のためか、節電対策を徹底している企業は意外に少ない。しかし1人で1台以上のパソコンを使っている場合もあり、スタッフの多いオフィスでは相当な電力を必要とする。基本的な対策によってパソコンの電力使用量を大幅に減らすことができる。

[石田雅也,スマートジャパン]

 会議や外出で自分のデスクを離れる時に、パソコンを必ずスリープ/スタンバイ状態に設定する人は、どれくらいいるだろうか。たぶん1割にも満たないのではないかと想像する。そう言う筆者も実践していない。何となく面倒だからである。しかしマイクロソフトが昨年夏に実施した検証結果を見れば、そうも言っていられない状況だ(図1)。

 検証結果のレポートから分かる効果的な節電対策は3つある。1つ目の対策は新しいOSに切り替えること、2つ目はデスクトップよりもノートパソコンを使うこと、そして3つ目は離席時にスリープ/スタンバイ状態に設定することである。

pc_setsuden_microsft.jpg 図1 パソコンのOS別に見た節電効果。出典:マイクロソフト「Windows PC 消費電力検証結果レポート」(2011年7月14日)

 マイクロソフトの検証作業は3種類のWindowsを搭載したデスクトップとノートパソコンの合計6機種を使って、90分の間にパソコンを起動〜ブラウザを30分利用〜10分離席〜ブラウザを20分利用〜30分離席、という行動パターンで電力の使用量(積算電力量)を測定した。通常はブラウザ以外のアプリケーションを使うことも多いが、その点を除けば我々が日常的にパソコンを利用する状況に近いと考えてよいだろう。

 節電対策としては3つの利用モードを設定した。「通常利用時」はWindowsの電源設定で標準の「自宅または会社のデスク」にした状態で、20分間パソコンを使っていないとディスプレイが切れる。次に「節電利用時」は「マイクロソフトカスタム設定」にして、5分間でディスプレイが切れ、15分後にスリープ/スタンバイ状態になって、ディスプレイの輝度は40%まで下げる。さらに離席時にユーザーが自主的にスリープ/スタンバイ状態に設定する場合の電力も測定した。

Windows 7ノートはXPデスクトップの1/6の消費電力

 まずはWindowsの種類による違いを見てみよう。3種類の中で最も古いWindows XPを使っていると、最新のWindows 7よりも消費電力がほぼ2倍になる。次にデスクトップとノートパソコンの消費電力の差だが、実に3倍もある。

 古いWindows XPを搭載したデスクトップを新しいWindows 7を搭載したノートパソコンに替えれば、消費電力は6分の1に減る計算だ。ただし検証に使われた6機種のパソコンはCPUの動作周波数やメモリー/ハードディスクの容量などに違いがあるため、ある程度の誤差が生じることは想定する必要がある。

 新しいノートパソコンに替えるだけで消費電力を下げることができるが、コストをかけずに効果を上げられるのがスリープ/スタンバイ機能の活用だ。これはプリンタなどでも同様の節電効果がある。

 WindowsではXPにスタンバイ機能、Vistaと7にスリープ機能が付いていて、どちらもユーザーから見ると変わらない。座席を離れる際にスリープ/スタンバイ状態に設定すると、通常利用時と比べて約半分の電力使用量で済む。OSの種類やデスクトップかノートかに関係なく、ほぼ同様の節電効果を期待できる。スリープ/スタンバイ状態からは、さほどの待ち時間もなく元の状態に戻って作業を続けられるので、たいていの場合は不便さを感じないだろう。

 設定は画面上の「スタート」ボタンから「シャットダウン」を選び、その後に「スリープ」か「スタンバイ」を選択するだけなので、大した手間ではない。離席する時の習慣として実行するのが望ましく、企業における節電対策の項目にも盛り込みたい。

自動節電機能を搭載したパソコンも増える

 最近のパソコンの中には、離席したことをセンサーが感知して、自動的にディスプレイの電源が切れるようになっている製品もある(図2)。今後このような自動節電機能がパソコンの新製品には標準的に搭載されていく見通しだ。

riseki_nec.jpg 図2 NECのパソコンに搭載されている「離席センサ」。出典:NEC

 節電対策のひとつとして、夏の昼間のピーク時間帯に電力の使用量を抑える「ピークシフト」が有効だが、そのための機能を搭載したパソコンも増えてきた。例えばピーク時間帯の13時〜16時は内蔵のバッテリで動くようにして、それ以外の時間帯はACアダプタから電力を供給する一方、夜にバッテリを充電する(図3)。単価の高い昼間の電力を使わずに、安い夜の電力を使うことで、コスト削減にもつながる。

peakshift_fujitsu.jpg 図3 ピークシフト機能の動作イメージ。出典:富士通

 企業ではパソコンの利用台数が多いので、1台ごとの節電の積み重ねが大きな効果を発揮する。夏だけではなく年間を通じた節電対策として推進したい。

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