米国シカゴにある世界最大級の商業ビル「マーチャンダイズマート」に、ジョンソンコントロールズが蓄電システムを導入した。同ビルではデマンドレスポンスにより、年間の電力消費量を約35%削減できるようになる見込みだ。
ジョンソンコントロールズは米国シカゴの商業ビル「マーチャンダイズマート」に分散型エネルギー貯蔵技術を導入し、加えてバッテリー技術とビル管理システムの専門的ノウハウの提供を開始した。
マーチャンダイズマートはインテリアや家具、アパレル関係のテナントが多く入居する商業施設で、シカゴのシンボル施設でもある。総面積約39万平方メートルで、1日におよそ2万5000人が利用するという世界最大規模の商業ビルだ。ニューヨークに拠点を置くVornado Realty Trustが所有している(図1)。
同ビルでは企業のサスティナビリティ達成を支援している米国の団体Environmental Defense Fund Climate Corps Program(EDF)とのパートナーシップを通じて分散型エネルギー貯蔵システムの必要性を検討し、施設のエネルギー貯蔵能力強化に向けたパートナー企業としてジョンソンコントロールズを選んだという。
既にマーチャンダイズマートは数年前よりジョンソンコントロールズのIntegrated Demand Resources Groupとの協力で、複数のデマンドレスポンスプログラムを通じて省エネに取り組んできた。省エネを推進する米国グリーンビルディング協会の認証も受けている。
今回、新たなエネルギー貯蔵ソリューションを活用することで、マーチャンダイズマート刻々と変化する電力網の需要状況に応じて電力消費を調整するなど、より高度な高速レスポンスプログラムに加わることが可能となった。また、同施設に既に導入されているジョンソンコントロールズのアクティブロードマネジメントストラテジーと今回導入した分散型エネルギー貯蔵技術を組み合わせることによって、施設全体の年間電気使用量が最大で35%削減できる見込みだ。
ジョンソンコントロールズの分散型エネルギー貯蔵担当でバイスプレジデントのジョン・シャープ氏は「マーチャンダイズマートはエネルギーマネジメントで業界をリードする存在であり、今後さらに多くのビルオーナーと省エネに協力して取り組み、施設と電力網全体の信頼性の両面でより大きな価値を生み出せるものと期待している」と述べている。
なお、米国の調査会社Navigantによると、分散エネルギー貯蔵市場は2024年までには160億ドル規模に拡大すると予測されている。
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