快適さを保ちながらピーク電力を20%以上削減、自社開発の電力管理システムを導入エネルギー管理(1/2 ページ)

経済産業省は「BEMSアグリゲータ」を通してBEMSの普及を推進している。中小ビルの消費電力量をアグリゲータがまとめて管理して、ピーク時の電力消費量を抑えることが狙いだ。鹿島建設は昨夏の節電活動で得た知見を生かし、快適さを損なわずにピークカットを可能にするシステムを開発した。

» 2012年04月27日 21時42分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 鹿島建設は電力需要のピーク時にビル全体の消費電力を節約するシステム「鹿島スマート電力マネジメントシステム」を東光電気と協力して開発したことを明らかにした。

Kajima Akasaka 図1 鹿島赤坂別館。このビルのオフィスフロアでシステムが稼働している

 すでに、同社が所有するビル「鹿島赤坂別館」(図1)に導入し、3月から運用を始めている。鹿島赤坂別館への導入では、初期設備投資におよそ10,000,000円かかったという。

 このシステムの特長は3つ。1つ目は、オフィス環境を不快にすることなく消費電力量削減が可能であること。2つ目は、ピーク時に全自動制御で消費電力量を確実に20%削減できるということ。3つ目は、新築の建物だけでなく、既存の建物にも導入できるという点である。

 電力消費量を抑えるピーク時間帯と、節電量はユーザーが設定できるようになっている。将来、時間帯によって電力料金が変わる「ダイナミックプライシング」制度が始まった時にすぐ対応できるように、時間帯と節電量を設定できるようにしたという。

システムコントローラがデータを集めて機器を制御する

 このシステムの中心は「システムコントローラ」だ。これが、消費電力量を監視しながら、空調機器、照明、そしてコンセントにつながった機器を制御することで消費電力量を調整する(図2)。

Overview 図2 鹿島スマート電力マネジメントシステムの全体像。データの収集、機器の制御は中央にあるシステムコントローラが担う

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