国が7項目の省エネ強化策を提示、スマートメーターやBEMS/HEMSの普及などエネルギー管理

さまざまな難問をクリアしなければならない我が国のエネルギー政策に関して専門家による検討が進められている。このほど経済産業省の検討委員会が今後の重点施策をまとめた。その中で「省エネルギー対策の抜本的な強化」を第1に掲げ、具体的な取り組みとして7項目を示した。

» 2012年08月01日 16時12分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 経済産業省がエネルギー政策をゼロベースで見直すために、専門家による「総合資源エネルギー調査会 基本問題委員会」を継続的に開催している。これまでの検討内容をもとに「エネルギーに関する今後の重点施策(案)」を7月30日に文書で公表した。施策案の多くは2013年度から実際の政策に反映されることになる。

 重点施策は12のテーマに及んでいるが、第1に挙げられたのが「省エネルギー対策の抜本的な強化」である。そのための具体的な取り組みとして、以下の7項目に関して対策や数値目標を示した。

 (1) 需要家によるエネルギー管理の徹底

 (2) 住宅・建築部の省エネ化

 (3) 高効率省エネ機器の普及

 (4) 次世代自動車等の普及

 (5) 産業部門の省エネルギー対策の強化

 (6) 熱の有効利用

 (7) エネルギー需要構造に関するデータベースの整備と消費者のへの情報提供

 特に1番目のエネルギー管理では、5年後の2016年度末をめどにスマートメーターで電力需要の8割をカバーできるように制度を設けて、電力使用量の見える化や柔軟な電気料金メニューを推進する。加えて企業や家庭がBEMS/HEMS(ビル向け/家庭向けエネルギー管理システム)などを活用して電力ピーク対策を実施した場合に、省エネ法の評価対象にできるように法律を改正することにも言及している。

 このほか4番目の次世代自動車に関しても具体的な数値目標を提示した。電気自動車をはじめとする次世代自動車の販売比率を2020年までに50%へ高める施策を実施する。普及に向けたインフラ整備のために、同じく2020年までに普通充電器を200万基、急速充電器を5000基、全国に配備する目標を掲げた。さらに燃料電池自動車の導入に備えて、2015年までに4大都市圏(首都圏、中部、関西、北部九州)を中心に100か所の水素補給設備を設置することも提言している。

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