スマートメーターに欠かせないサービスを提供する――オージス総研

消費電力などの電力情報をデジタルデータとして遠隔地から取得可能なスマートメーター。マンションの高圧一括受電サービスや、将来の自由化によって登場する電力小売などさまざまなサービスを提供する事業者に役立つ。だが、電力サービスを構築するにはスマートメーター以外のシステムも必要だ。多数のスマートメーターから情報を収集、管理する他、課金システムと組み合わせる必要がある。オージス総研の管理システムについて紹介する。

» 2013年11月13日 10時00分 公開
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 スマートメーター導入の機運が高まっている。東京電力のような一般電気事業者は、数千万台規模のスマートメーターを設置しようとしている。だが、スマートメーターの応用範囲は一般電気事業者にとどまらない。高圧一括受電のサービスを広げようと考えている企業はもちろん、電力小売の自由化を機に電力市場に参入する企業の役に立つ。

 スマートメーターには他の装置と通信するための仕組みが組み込まれている。このため、メーターの数値を目視で読み取ることなく、遠隔地から検針ができる。建物に居住者が入居・退居する場合、メーターを直接操作しなくても、リモートで電力供給の開始や停止を実行できる。数百〜数十万単位のユーザーを対象とする小規模な事業者が市場に参入する際には、スマートメーターが、運用コスト削減に役立つ。

スマートメーターを使うには

 例えば高圧一括受電サービスを展開する場合、スマートメーター以外にどのようなシステムが必要になるだろうか。スマートメーターから情報を集めてインターネットに接続する装置、インターネット経由で送られてきた情報を蓄積、管理するシステム、さらに管理システム上で動作するレポートサービスなどが必要だ。課金処理を実行するサービスも別途用意しなくてはならないだろう。

オージス総研の「クラウド型メーターデータ管理サービス」の電力使用量照会画面(上)と、気温・消費電力の関係を示した画面(下)

 「スマートメーター向けの情報システムを一から開発すると、時間も費用もかさむ。そこで、レポートサービスなどの部分をカスタマイズ可能な『クラウド型メーターデータ管理サービス(MDMS)』の提供を2013年5月に開始した。オージス総研のデータセンターを利用したクラウド型サービスであるため、ゼロからシステムを構築する必要がなく、小規模な事業者でも利用しやすい。数千台までの個別事業者、数万台までの中規模アグリゲーター、数十万台の前半までの大規模アグリゲーター向けに3種類の料金体系を用意している」(オージス総研 ソリューション開発本部エンタープライズソリューション第一部マネジャー 椿野禎三氏)。

オージス総研 ソリューション開発本部エンタープライズソリューション第一部マネジャー 椿野禎三氏

 スマートメーターから情報を収集し、蓄積、管理するシステムの形はさまざまだろう。大規模な事業者であれば、メーター本体から管理画面までを包含するシステムが向いているかもしれない。しかし、小規模な事業者の場合は、スマートメーターの選定から管理面まで、個々の導入コストを抑えつつ、柔軟にサービスの規模に合わせて投資、拡張していきたいはずだ。「当社のMDMSはスマートメーターからの情報を収集するHES(Head End System)と接続して利用する。特定のスマートメーターとHESの組み合わせに強みはあるものの、複数種類のHESを利用できるように設計されており、柔軟性がある」(椿野氏)。

スマートメーターからメーターデータ管理サービスまでの情報の流れ

 オージス総研の提供するシステムは、米ElectSolveのMDMSソリューションを国内向けにカスタマイズしたものだ。ElectSolveは米国の電力供給事業者25社へ提供しているサービスにおいて、10万メーター以上の管理実績をもつ。オージス総研は、2011年にGeneral Electric(GE)とMDMSにおける協業を開始しており、GEのスマートメーターと組み合わせた形のサービスで最も強みを発揮する。「GEのスマートメーターは集約装置との通信にULP(Ultra Link Processing)と呼ばれる無線通信技術を利用しているため、データ欠損率が非常に低いという優位性がある。国内でGEと接続できるメーターデータ管理サービスを提供しているのはオージス総研だけだ」(椿野氏)。なお、ElectSolveのMDMSは他のスマートメーターとの接続もサポートしており、オージス総研は国内でも他メーカーへの対応を検討中だ。

 メーターデータ管理サービスでは、高圧一括受電の事業者や不動産系の企業を狙う。現在は国内で、複数の実証実験を継続中だ。ある実証実験では数十台のGEのスマートメーターを米OnRampの装置(集約装置、ゲートウェイ、HES)を経由してMDMSに接続しており、半年間継続している段階だ。

 ElectSolveの事例は大規模で実運用フェーズのものだ。例えば米国南西部のアリゾナ州Fountain Hillsでは、ElectSolveのMDMSを導入したことにより、電力データの取得に要する時間を飛躍的に短縮できたという。導入以前はメーターが動いているかどうか程度の情報しか手元になく、顧客からの問い合わせに対して、電圧値の測定に2日もかかっていた。MDMS導入後は15分間隔の情報をリアルタイムに入手できるようになった他、エンドユーザーが自らウェブポータル機能を利用して、電力消費情報を見える化できているという。「国内でも、居住者向けの電力見える化サービスを開発中だ」(椿野氏)。

課金システムにも強みを持つ

 スマートメーターから検針情報を取得する目的は課金にある。オージス総研は過去にもエネルギー分野の課金システムを開発、運用しており、このノウハウを生かして、スマートメーター向けの課金システムの提供を準備中だ。

 「検針、料金計算、請求までの一連の流れを正確に実行することはもちろんだ。だがそれだけではない。電力料金のメニューは近い将来、現在の携帯電話事業者の料金メニューのように複雑化、多様化する。このような動きに対応できる料金計算エンジンの開発を進めている」(オージス総研 ソリューション開発本部エネルギーソリューションプロジェクト部部長補佐 竹下徹氏)。

 「課金システムは、事業者が既に持っている経理システムやCRM(顧客関係管理)システムなどの自社システムと連携することも考慮してクラウド型だけでなく、オンプレミス型の提供も用意する」(竹下氏)。

オージス総研 ソリューション開発本部エネルギーソリューションプロジェクト部部長補佐 竹下徹氏

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提供:株式会社オージス総研
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2013年12月31日