社会インフラを守るためのBCP対策に、東武エナジーサポートが選んだ蓄電池とは?東武鉄道グループのバス事業を支える

近年頻発する自然災害を背景に、BCP対策としての蓄電システムに関心が高まっている。東武エナジーサポートが導入したのは、ニチコンのポータブル蓄電システム(ESS-P1S1)だ。同社はなぜニチコンの蓄電システムを採用したのか――その理由を聞いた。

» 2020年12月09日 10時00分 公開
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エネルギーと公共交通、2つのインフラを支える東武エナジーサポート

 東武エナジーサポートは、東武鉄道のグループ会社であり、燃料油販売と太陽光発電システムを柱に、エネルギー関連事業を幅広く手がけている。なかでも重要な業務は、東武鉄道グループ各社のバスへの燃料供給だ。社会インフラともいえる東武グループ各バス会社の運行に欠かせない軽油の手配は、同社が一手に担っている。

常務取締役の石井進氏

 太陽光発電に関しては、住宅用・産業用それぞれに、設備機器の調達から設計・施工・メンテナンスまでトータルに展開。近年は、蓄電システムの販売にも力を注いでいる。東京スカイツリータウンの太陽光発電システムに同社の提案が採用されるなど、法人向けの導入コンサルティングにも定評がある。

 こうした事業を手掛ける同社にとって、BCP対策への取り組みは、東武グループの安定的なバスの運行を守ることに直結する、重要な課題だ。常務取締役の石井進氏は次のように述べている。

 「バスが動かないと、お年寄りが病院に行くこともできなくなってしまいます。非常に重要な公共交通機関ですから、絶対に止めるわけにはいきません。バスの営業所には、万が一のときのために軽油の大型地下タンクも設置されていますが、その容量には限りがあります。たとえ停電が起きても、少なくとも翌日分の燃料は手配できるよう、必要最低限の通信用電力は確保しておかなければなりません」(石井氏)。

管理部長の藤澤満氏

 軽油の手配は、独自のオーダーシステムを利用して行っているという。停電などの非常時には、このオーダーシステムの稼働を確保できるかどうかが生命線になるというわけだ。

 「軽油の発注には締め切り時間があり、毎日午前11時位までに翌日分の燃料を手配する必要があります。基本的にはインターネットを使って石油元売り会社に注文するのですが、締め切り前のタイミングで電気が使えなくなると、その注文もできなくなってしまいます。そうなると、バスターミナルに軽油が届かず、翌日のバスの運行に支障が出ることにもなりかねないのです」(管理部長の藤澤満氏)

BCP対策の切り札として蓄電システムを導入

 2011年の東日本大震災以降、東武エナジーサポートでは、パソコンをデスクトップ型からバッテリー容量の大きいノート型に替えたり、いち早くUPS(Uninterruptible Power Supply/無停電電源装置)を設置したりなど、着実にBCP対策を整えてきた。そんな流れのなか、対策の切り札として2018年1月に導入したのが、ニチコンのポータブル蓄電システム(ESS-P1S1)だ。

導入したニチコンのポータブル蓄電池(ESS-P1S1)

 「それまでは停電を想定したBCP対策としてUPSを設置していたのですが、対応できる時間が短いのがネックでした。そのため、停電の際に安全にパソコンの電源を落とすとか、システムを正常に閉じるといった役割しか期待できず、燃料の手配業務を十分に続けることは不可能でした。その点、ニチコンのポータブル蓄電システムなら、サーバーをつなげた状態で数時間業務を継続できますから、翌日のバスの燃料が手配できなくなるという心配はなくなりました。BCPの観点からは、この数時間の電気の有無が、大きな違いをもたらします」と藤澤氏。既に東武エナジーサポートにとって、ニチコンのポータブル蓄電システム(ESS-P1S1)は、もはや欠くことのできない存在となっているという。

 ポータブル蓄電システム(ESS-P1S1)は、2kWhの電力を手軽に確保できる、工事のいらないスタンドアロン(非系統連系)タイプの蓄電地だ。幅25cm×高さ38cm×奥行55cm、重量38kg(キャスター付き)というコンパクト設計で、どこにでも簡単に設置することができる。壁のコンセントに電源プラグを差し込み、本体の出力コンセントにパソコンなどの機器をつなげば、すぐにでも使い始めることが可能だ。小さなボディでありながら、オフィス・店舗・避難所・一般家庭など、さまざまな場所で大活躍する人気機種となっている。

工事不要かつ場所をとらないコンパクトさも魅力だ

テナントビルに最適なスタンドアロンタイプ

 東武エナジーサポートは、数ある蓄電システムのなかから、なぜニチコンのポータブル蓄電システム(ESS-P1S1)を選んだのか。その理由を、環境事業部課長の三觜大紀氏は次のように話す。

環境事業部課長の三觜大紀氏

 「まず大前提として、私たちの事務所はビルのテナントであるため、系統連系タイプの蓄電システムを導入することができません。そのため系統連系しない蓄電システム、すなわちスタンドアロンタイプの蓄電システムでなければなりませんでした。そうなると選べる製品は限られてきます。

 じつは、5年ほど前に他社製のポータブル蓄電池を導入しているのですが、蓄電容量が0.5kWhしかなかったので、BCP対策としては心許ないものでした。一方、ニチコンの製品は蓄電容量が2kWhあり、停電時の燃料手配体制の維持という目的にも適うものと考えました。また、UPS機能が付いているというのも、先行導入していた他社製品にはない魅力でした。

 もちろん蓄電容量だけをみれば、ニチコン製品よりも大容量なスタンドアロンタイプもありますが、重量が重すぎると判断しました。当社としては、必要最低限の電力を確保しつつ、非常時には簡単に移動できて、別の場所でも使えるようなものが欲しかったのです。また、金額も考慮して総合的に考えると、選択肢は自ずと絞られていきました」(三觜氏)

社会インフラを担う企業として、信頼できる企業・製品を選定

 さらに三觜氏は、導入の決め手はニチコンという企業の“信頼性”に拠るところも大きかったとして、自身にまつわるエピソードを語ってくれた。

 「じつは私の自宅で、会社で導入するよりも前からニチコンの蓄電池を使っておりまして。導入時に施工の関係でトラブルがあったのですが、その際にニチコンからたくさんの方がサポートにかけつけてくれ、迅速に解決してくれたのです。顧客に対する真摯な姿勢や、アフターフォローの体制がしっかりと整っていることに感銘を覚えました。そんなこともあって、会社の方にも、ニチコンの蓄電システム導入を働きかけることになりました」(三觜氏)

 東武エナジーサポートでは、販売する商材としても蓄電システムを取り扱っている。そのため、多くのスタッフが国内外の蓄電システムを熟知しており、自社で使う蓄電システム選びにも妥協はない。

「製品の機能や性能はもちろん大事ですが、私たちはそれ以上に、メーカーの企業としての信頼性を重視しています。例えば、万が一、製品不良問題が発生した場合に責任が取れるか。そもそも、その企業は末永く存続し得るかなど、しっかりと見極めていかなければなりません。先々まで安心してお付き合いできる会社でないと、取り引きはできませんからね。それは、お客様にご提案する商品の選定においても、自社で使う蓄電システムの選定においても変わりません」と三觜氏は続ける。

 そうした厳しい目で選ばれたBCP対策の切り札が、ニチコンのポータブル蓄電システム(ESS-P1S1)だったというわけだ。

面倒な操作は一切不要! 移動可能でどこでも使える

 実際に導入してみて、運用面など使い勝ってはどうなのだろうか。管理部課長補佐システム管理者の岩内潤氏はいう。

管理部課長補佐システム管理者の岩内潤氏

 「サーバーの横に床置きしているのですが、非常にコンパクトなので邪魔になることもなく、とくに存在を意識せずに使っています。ただ単にコンセントにプラグを差しておくだけなので、ユーザーとして面倒なことは何もありません。あえていえば、倉庫に置きっぱなしにすることなどで過放電になることに気をつけることくらいでしょうか。最初に設置して、そのまま使うことができましたし、基本的にメンテナンスフリーですから、とてもラクです。実際、いままでのところトラブルは一切ありません。それでいて、このポータブル蓄電システムから得られる安心感には、とても大きなものがあります」(岩内氏)

 さらに今後は、防災対策のあり方も、ポータブル蓄電システムによって変わってくると予想する。

 「これまでは、備蓄品として全従業員3日分の食糧とカセットコンロ、ガスボンベを用意していました。しかし、ポータブル蓄電システムなら移動も可能ですので必要な場所に移動し、電気を使ってお湯を沸かすことも可能です。これからは、電気ポットなども備蓄品リストに加えることになるでしょう」(三觜氏)

グループ企業とも連携し、BCPの更なる強化を

 東武エナジーサポートでは、これまでの自社の運用実績を踏まえ、今後はグループ会社のBCP対策についてもアドバイスをしていく考えだ。「当社で行っているBCP対策の有効性をグループ各社と共有し、ニチコンのポータブル蓄電システム導入を促していきたい」と藤澤氏は話す。

 同時に、東武エナジーサポートとして、「ポータブル蓄電システムの設置台数を増やし、大規模停電時も、電気をより長時間使っていられるようにしたい」と岩内氏は語る。

 常務取締役の石井氏は、同社の事業と蓄電システムの関係を次のように述べている。

 「我々は、ディーゼルエンジンを動かす燃料(軽油)をメインに扱っておりますので、CO2排出にも責任を負っています。そこで、太陽光発電システムをはじめとする環境商材の販売促進に尽力し、カーボンオフセットの実現を目指してきました。一方で、我々にはグループ内のバスを最後の1台まで動かすという社会的使命があります。ですから、燃料の手配・供給を決して止めるわけにはいきません。我々にとって蓄電システムは、太陽光発電をバックアップする商品であるともに、BCP対策の柱として、なくてはならない存在なのです。今後とも、多様なラインアップと優れた信頼性を誇るニチコンの蓄電システムに、大いに期待しています」(石井氏)

 東武エナジーサポートとニチコンのパートナーシップから、この先、どんな先駆的事例が生み出されることになるのか、興趣は尽きない。

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提供:ニチコン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2020年12月29日