日本のエネルギー市場の鍵となる“蓄電池”、ファーウェイが2つの新製品を日本市場へ“集中型のようで分散型”を実現する注目の蓄電池

再エネ普及やその自家消費など、今後のエネルギー市場のトレンドにおいて大きな鍵となるアイテムとして注目が高まっている「蓄電池」。こうしたニーズに向けて、華為技術日本(ファーウェイ・ジャパン)がいよいよ産業用の蓄電システムを日本市場に投入する。

» 2022年05月09日 10時00分 公開
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国内のエネルギー市場で「蓄電池」が大きな鍵に

 不安定な国際情勢が続くなか、国内の電気料金高騰を懸念する動きが広がっている昨今。また、厳しい電力需給の状況を鑑みて、電力視点でのBCP(事業継続計画)の重要性が改めて認識されたことや、カーボンニュートラル実現に向けた動きとも相まって、再生可能エネルギーの自家消費に対する注目が大きく高まってきた。

自家消費型発電システムにおいては、蓄電池の存在が鍵を握る。電気の需要家である企業にとって、電気料金の削減やBCP対策、脱炭素対策を通しての企業価値向上など、蓄電池を導入するメリットは大きい。蓄電池の価格がこなれてきたことに加え、国の補助金も期待できるようになってきたので、実際に蓄電池を導入する企業も急増している。

 電力の安定供給の観点からも、海外に依存しない国産電源である再生可能エネルギーの導入拡大と、再生可能エネルギーの不安定性を補完する蓄電池の存在が求められている。FIT制度からFIP制度への移行が始まり、発電事業者にとっても、市場取引を見据えた蓄電池の活用が大きなテーマの一つとなっている。日本のエネルギー市場は、今まさに大きな転換点にあるといえるだろう。

ファーウェイが産業用蓄電池2機種を日本市場へ

 こうした状況を受けて、華為技術日本(ファーウェイ・ジャパン)がいよいよ産業用の蓄電システム(ESS:Energy Storage System)を日本市場に投入する。太陽光発電分野においてファーウェイは、世界有数のパワーコンディショナーメーカーとして知られるが、2021年に日本でも住宅向け蓄電システムを発売して以来、蓄電システムメーカーとしても急速に存在感を高めている。

同社が満を持して発表した産業用蓄電システムは、蓄電容量2MWhの大型蓄電システム「LUNA2000-2.0MWH-1H0/2H0」と、同200kWhの中型蓄電システム「LUNA2000-200KWH-2H0」の2種だ。

 大型蓄電システム「LUNA2000-2.0MWH-1H0/2H0」は、主に系統用蓄電池として、大規模太陽光発電所や大規模風力発電所、あるいは変電所での利用を想定したもの。もう一方の中型蓄電システム「LUNA2000-200KWH-2H0」は、工場など需要側の自家消費用蓄電池として、あるいは中規模発電所向けのものとなる。それぞれ、ファーウェイ製パワーコンディショナーとの組み合わせで、これまでにないトータルな蓄電ソリューションを提供するという。「LUNA2000-2.0MWH-1H0/2H0」は2022年3月30日より受注開始、「LUNA2000-200KWH-2H0」は2022年度中の発売予定だ。

系統での利用も可能な「LUNA2000-2.0MWH-1H0/2H0」

 系統用蓄電池とは、再生可能エネルギー発電所や変電所などに設置し、電力が余った時には蓄電し、不足するときには放電することで、電力系統の安定化を図ろうとするもの。太陽光発電や風力発電など変動性再生可能エネルギーのさらなる導入拡大に向けては、発電量の過不足を調整し、電力系統の安定を損なわないようにするための仕組みが求められる。系統用蓄電池は、その仕組みの中核を成すものとして期待されているのだ。

 電力の安定供給に直接関わるだけに、系統用蓄電池には、優れた充放電性能はもちろんのこと、何よりも高い信頼性が求められる。2MWhの大型蓄電システム「LUNA2000-2.0MWH-1H0/2H0」は、ファーウェイ独自のモジュラー設計の採用などにより、これを実現。システム稼働率は99.9%以上に達しているという。また、新旧電池の併用も可能であり、いつでも柔軟にシステムを拡張することができる。

2MWhの大型蓄電システム「LUNA2000-2.0MWH-1H0/2H0」

同大型蓄電システムの技術仕様は、定格電圧1200V、最大電圧1500V、定格容量2064kWh、外形寸法(幅×高さ×奥行)6058×2896×2438mm、電池を含む重量は約30トン。使用環境温度は-30℃〜55℃に対応し、IP55の防水防塵保護等級も備え、厳しい環境下での利用も可能だ。

搭載されるバッテリーパックは、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用。冷却は空調方式で、万が一に備えた防災設備としてハロゲン化物消化システムも備えている。

自家消費に最適な「LUNA2000-200KWH-2H0」

 一方の中型蓄電システムは、昼夜を問わず稼働する工場など、電力需要の大きい施設の自家消費型太陽光発電に最適な性能を有している。日中の余剰発電分を蓄電し、夜間に使用することで、太陽光発電の完全自家消費を可能にする。また、電力消費が最大となる時間帯に蓄電池からの電力も使うことで、電力会社からの買電をピークカットし、最大デマンドから算出される電気の基本料金を引き下げることもできる。

 太陽光発電所に同蓄電システムを設置すれば、昼間発電した電気を夜間に売電することも可能となる。これまでは、パワコンによって規定される認定出力を超過した発電量はむだになってしまっていたが、蓄電システムがあれば、それを蓄電して無駄なく売電することができる。とくに太陽光パネルの過積載率が高い発電所では、無駄にしていた発電量も多かっただけに、収益性アップの効果は大きい。また、FIP案件を含め市場での取引を想定した太陽光発電所の場合なら、昼間に売電するのではなく、取引価格の高い夜間に売電することにより収益性を高めることもできる。

 ファーウェイの200kWhサイズの中型蓄電システム「LUNA2000-200KWH-2H0」は、幅2150mm×高さ2100mm×奥行950mmのキャビネットに12基のバッテリーパックを搭載。それぞれのバッテリーパックは320Ahのバッテリーセル16基とバッテリーオプティマイザーを内蔵する。キャビネットに2ユニットの個別空調を備え、キャビネット内部を冷却するとともに、各部の温度差の解消を図る。キャビネットの側面に、パワーコンディショナー(100kW)とDC/DCコンバーターを設置可能だ。

200kWhの中型蓄電システム「LUNA2000-200KWH-2H0」

「集中型のようで分散型」のシステム構成がもたらすメリットとは?

 ファーウェイが発表した大中2種の産業用蓄電システムは、いずれも一般的な集中型蓄電システムと変わらない外観となっている。しかし、その実態は集中型とは異なり、分散型のコンセプトを取り入れているのが大きな特徴だ。

 その特徴を実現しているのが、独自のモジュラー設計だ。1つの筐体に多数のバッテリーパックを搭載した一体型システムでありながら、バッテリーパックそれぞれにバッテリーオプティマイザーが装備されており、バッテリーパック単位での最適化を可能にしているのだ。ファーウェイでは、これを“スマート分散型蓄電システム”と呼び、従来の蓄電システムとの根本的な違いとして強調する。

バッテリーパック単位で制御を行う独自の設計を採用

 そもそも“分散型”は、同社がパワーコンディショナーにおいて提唱してきたシステムの在り方だ。かつて主流だった集中型に比べて、トラブルの影響が少なく安定した稼働が可能であり、仮に故障しても簡単に交換でき、メンテナンス性に優れているなどのメリットを有している。スマート分散型蓄電システムにも、そうした特長はそのままに生かされているのだ。

故障した箇所だけを交換可能できることのメリット

 従来の集中型蓄電システムの場合、1基のバッテリーパックが故障しただけでも、そのバッテリーパックを含むバッテリーラックはもちろん、並列接続した他のバッテリーラックも稼働停止してしまうのが一般的だった。また、この集中型蓄電システムが集中型パワーコンディショナー1台と組み合わされているとしたら、パワーコンディショナーの故障が蓄電システム全体の稼働停止に直結してしまう。蓄電池・パワーコンディショナーともに、部分的なトラブルが、大きな損失に広がりかねない。

 一方、ファーウェイのスマート分散型蓄電システムなら、1基のバッテリーパックが故障しても、他のバッテリーパックへの影響はない。故障個所のモジュラー交換だけで済むので、完全回復までの時間も短い。また、組み合わされるパワーコンディショナーも複数台からなる分散型システムなので、そのうちの1台が故障しても、影響が全体に及ぶことはない。こうした特長は、システム全体の高い稼働率を約束するとともに、O&Mコストの大幅な低減をもたらすものとなっている。

故障したバッテリーパックのみを交換できる設計で、稼働率の向上を実現

 また、各バッテリーパックに内蔵されたバッテリーオプティマイザーの働きにより、バッテリーパック間の容量のバラつきが抑えられ、定期的なSOC(State Of Charge)調整は不要となった。各バッテリーパックの性能を100%生かし切ることも可能となり、ライフサイクル充放電量は15%増加したという。

 さらに、20年以上にわたり蓄積してきたICTとパワーエレクトロニクス技術を生かしたクラウドBMS(Battery Management System)も搭載。これは内部短絡を検知したら速やかにアラーム発報することで、火災リスクを90%以上減少させることに成功したという。具体的には、異物による損壊やリチウムメッキ現象など突発的な内部短絡に対応するサイクル曲線と、電力・温度・その他関連異常による内部短絡に対応する直列ストリング曲線などを遠隔監視することで、火災の前兆を適確につかみ、その発生を未然に防ぐ。

 バッテリーパックのどれかに障害を検知した際には、速やかに接続を解除し、システムから分離。万一、火災が発生しても、10秒以内にクリーンガスを噴出し消火するなど、安全性も高いソリューションに仕上がっている。

国内外でも豊富な実績を残すファーウェイの蓄電ソリューション

 一般に馴染みのあるものではないため、あまり知られていないが、ファーウェイには蓄電分野における10年以上の研究開発と利用の実績がある。太陽光発電向けの蓄電システムを発売する以前から、携帯電話基地局やデータセンターの蓄電システムを数多く手掛けてきたのだ。-40℃にもなるエベレストや50℃に及ぶ灼熱地帯、海辺の重塩害地域など、過酷な環境下でも長期安定稼働が可能であることを実証し続けてきた。再生可能エネルギーのための蓄電システムにも、そうした経験とノウハウが生かされているといえるだろう。

ファーウェイの蓄電池分野における実績

 2MWhの大型蓄電システム「LUNA2000-2.0MWH-1H0/2H0」は、既に海外で先行販売されており、中国・ヨーロッパ・中東など各国で導入が進んでいる。世界最大級のマイクログリッド蓄電池発電所とされるサウジアラビアの1300MWh案件でも、同蓄電システムが採用されているという。

 日本においても、再生可能エネルギーのさらなる導入拡大には、産業用蓄電池の普及が不可欠といって良い。国も各種補助金を用意するなど普及促進に本腰を入れており、発電側・需要側ともに蓄電池導入への意欲は高い。ファーウェイとしては、優れた充放電性能と高い安全性、低O&Mコストを併せもつ“スマート分散型蓄電システム”で、高まるニーズに応えていきたい考えだ。

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提供:華為技術日本株式会社/ファーウェイ・ジャパン
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2022年5月25日