発電量が105%に増加 “リパワリングで採算が取れる”太陽光発電用パワコンの選び方日本市場に特化したファーウェイのリパワリング専用パワコンが登場

運用開始から10年以上経過する太陽光発電も増えており、発電設備を入れ替える「リパワリング」が注目されている。さまざまな設備で構成される太陽光発電の中で、パワコンはリパワリングのメリットを特に得やすい。リパワリングに最適なパワコンはどのように選ぶべきなのか、太陽光発電の運用保守に詳しいCO2OSに聞いた。

» 2024年02月27日 10時00分 公開
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注目を集める太陽光発電の「リパワリング」

 2012年に「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」が始まって以降、国内への導入が急速に進んだ太陽光発電。既に10年以上運用されている太陽光発電も増えており、経年劣化が進んだ太陽光発電設備の一部を入れ替える「リパワリング」が大きく注目されている。設備の更新によって安定稼働を維持できるだけでなく、FIT開始当初にはなかった製品やソリューションを活用することで「発電量の向上」と「運用コストの削減」を両立させられる可能性があるからだ。追加コストを投資したとしても、より収益性を高められるケースも増えている。

 太陽光発電はさまざまな設備で構成される。中でもリパワリングを行う上で特に注目したいのが、パワーコンディショナー(パワコン)の見直しだ。その理由は2つ。一つは、パワコンは10年程度で部品交換や入れ替えなどが必要になるケースが多いため、この数年は設備の見直し時期として最適なタイミングであること。もう一つは、パワコンの設置方法の見直しなどによって、大きな工事を行うことなく収益性を高められる可能性があるためだ。最小限の投資で最大のリターンを得やすいのがパワコンの見直しと言える。

 では、リパワリングに最適なパワコンはどのように選ぶべきなのだろうか。太陽光発電の技術評価(デューデリジェンス)や運用保守(O&M)に詳しい、CO2OSの代表取締役社長を務める小林直子氏に話を聞いた。

リパワリングの際に選ぶべき「パワコン」のポイントとは?

株式会社CO2OS 代表取締役社長の小林直子氏

 CO2OSは、発電所の技術評価や運用保守において多くの実績を持つ“太陽光発電の専門家集団”だ。これまでに大手電力会社や金融機関などの特高・高圧案件を中心に、国内で累計5.5GW以上の発電所の技術評価を実施し、1GW以上の発電所の管理を行っている。

 最近ではリパワリングを目的とした技術評価の依頼も増加しており、アセットマネジメントの観点から発電設備の見直しを支援するケースも多いという。小林氏は最近の傾向について、「8年から10年が経過した発電所では、運用開始時に設置したセントラル型(集中型)パワコンの冷却ファンなどの交換が必要な例や、製品寿命によって全交換を行うケースが増加しています。パネルなどの設備は十分な性能を維持していても、パワコンに不具合があれば太陽光発電事業は大きな損失につながります。特にセントラル型の場合、パワコンが故障すると発電が停止する割合が分散型パワコンと比べて大きいです。その売電損失を補償する太陽光発電向け利益保険も、保険料が数倍に値上がりしたり、保険適用すると翌年以降の更新ができなかったりというケースもあります。パワコンの見直しによるリパワリングは、パワコンの不具合による発電停止を最小化し、メンテナンスコストを抑え、残りのFIT期間の収益性を最大化する上で非常に重要なポイントだと感じています」と話す。

 では、リパワリングに最適なパワコンを選ぶ際には、どのような点が重要なのか。小林氏は「施工性」「信頼性」「機能性」がポイントになると指摘する。

 施工性は、単に設置しやすいだけでなく、既存の発電設備のレイアウトに柔軟に対応できることが重要だという。既存設備の位置を変更したり土地を造成したりするといった、大掛かりな追加工事は収益性を損なう可能性が高い。既存の設備に手を加えずに設置できる、施工コストが低いパワコンを選ぶべきだ。

 「信頼性」は、故障率が低いといった性能面だけでなく、製品の安定供給やサポート面を含む。既に日本市場から撤退していたり、一部のモデルの供給を取りやめていたりするパワコンメーカーも多い。長期にわたる発電事業において、製品の安定的な供給や交換・修理といった迅速なサポートが受けられることも製品選びの重要なポイントだという。

 最後の「機能性」は、リモート制御や遠隔監視、MPPT制御といった付帯機能の有無だ。最近のパワコンではこうした機能が当たり前になりつつあるが、FIT開始初期に販売されていたモデルにはないケースも多い。せっかく追加投資するのだから、発電所の適切な維持管理に有効であり、出力制御などへの対応も可能な遠隔機能や発電量を最大化しやすいMPPT制御機能を搭載したモデルを選ぶのが最善手だ。

 これらのポイントに加え、小林氏が「パワコンの見直しによるリパワリングを行う際に、収益性の向上に非常に効果的な選択肢となる」と話すのが、分散設置に対応した分散型パワコンの活用だ。

 FIT初期の案件に多く採用されたセントラル型で、例えばAC1MWの発電所に1台のパワコンの場合、パワコンが故障すると発電所全体が停止してしまう。しかし、分散型であれば、同じAC1MWの発電所に50kWのパワコンだと20台が設置される計算になり、パワコンが1台故障しても、20分の1の発電損失で済むことになる。さらに、そのメンテナンスコストの低さも大きなメリットだ。

 「FIT開始当初は製品そのものが市場に少なかったため、分散型パワコンは一般的ではありませんでした。ケース・バイ・ケースではありますが、製品も増えてきた現在、施工面でも導入しやすく、中長期的にメンテナンスコストを抑えやすい分散型パワコンはリパワリングの選択肢として大いに検討する価値があると考えています」(小林氏)

日本市場に最適化されたファーウェイのリパワリング専用パワコン

 リパワリングにおける有効な選択肢として認知され始めている分散型パワコンに、注目の新製品が登場した。華為技術日本(ファーウェイ・ジャパン、以下ファーウェイ)が2023年秋に発表した「SUN2000-125KTL-NHM0」だ。セントラル型からの移行需要にフォーカスした“リパワリング専用モデル”であり、日本市場に最適化して開発されているという。日本市場向けの仕様として、セントラル型から分散型への移行時に課題となる「コスト」を大きく削減できる工夫が盛り込まれている。

新製品のリパワリング専用パワコン「SUN2000-125KTL-NHM0」

 まず、最大出力を125kW/138KVAに設定した点が大きな特徴だ。FIT開始以降、国内では1〜2MW級の発電所が多く建設された。この規模の発電所に導入する場合、125kWという出力であれば8〜16台でリパワリング可能なので、最小限の投資でセントラル型から移行できる。

 出力電圧も270〜380V(低電圧時は出力制御が必要)としたことで、FIT開始初期に導入されたさまざまな電圧のセントラル型パワコンからの移行に対応しやすい。こうした仕様により、配線ケーブルやトランス関連設備に手を加えることなくシステムを再構築できるため、リパワリングにかかるコストを削減可能だ。1100Vまで対応可能なMPPT制御機能も搭載しており、既存のパネルレイアウトを維持したままでのリパワリングやストリングごとの発電量の最大化に貢献する。

 ファーウェイのパワコンに共通する機能として、スマートロガーを利用した遠隔監視と遠隔制御にも対応している。独自の「スマートIV診断」によって、故障原因を即時に特定できる。トラブル時は数日で交換対応が可能なので売電ロスを最小限に抑えられる。これは、安定的な製品供給力とサポート体制を持つファーウェイならではの強みと言える。

「SUN2000-125KTL-NHM0」のスペック

実際に5%以上の発電量アップ実績 採算性の両立が可能に

 ファーウェイのリパワリング専用モデルの分散型パワコンは、出力125kWのモデルに加えて62.5kW仕様のモデルも用意されている。こちらは先行販売されており、既に国内の太陽光発電所のリパワリングに採用されて成果を出しているという。

 ファーウェイは、62.5kWのモデルを用いて2014年に発電を開始した1MW級の発電所(AC容量1000kW、DC容量1666.35kW)で、リパワリングを想定したセントラル型と分散型の比較を実施した。太陽光パネルを500kWずつに分割し、片方は従来のセントラル型パワコン(DC容量:833.07kW)を、もう一方には62.5kWモデルのファーウェイ製パワコンを9台(合計DC容量:833.28kW)接続するという条件だ。

検証を行った太陽光発電所の様子

 公正な検証を行うために、第三者機関としてCO2OSが詳細な条件の違いなどを加味して約7カ月の発電量を比較した。その結果、ファーウェイ製の分散型パワコンが接続された方は、発電量が約5%増えたという。

 発電量の増加だけでなく、設置の施工コストの低さも特徴だ。リパワリング専用モデルという特性により、既存の送電ケーブルを生かす形でパワコンを入れ替えられたという。パワコンの設置工事に伴って発電を止めた期間は数日のみで、発電ロスも最小限に抑えられた。

 小林氏は今回の比較検証について「5%の発電量アップであれば、分散型のメリットによる今後のO&Mコストの削減量も加味し、追加投資を行っても十分に採算が取れる範囲だと感じました。太陽光パネルは経年劣化でどうしても発電量が低下していき、ストリング間のミスマッチによるロスが発生しますが、そのロスを最新型のパワコンに入れ替えることで低減できる点も、残りのFIT期間やそれ以降の運用を考えればとても大きなメリットです」と話す。

 ファーウェイ製の分散型パワコンは、CO2OSの自社開発案件の太陽光発電所にも採用されている。その中で感じたファーウェイのパワコンの強みとして、小林氏は「圧倒的な故障率の低さとメンテナンス性」を挙げる。リパワリング専用モデルは定期交換部品がなく、必要なメンテナンスは吸排気口の清掃のみ。「故障率やメンテナンスコストの低さは、太陽光発電所の収益性に大きく寄与すると考えています」(小林氏)

無料のリパワリング試算も実施中

 これまでのファーウェイの太陽光発電関連製品は、海外で先行発売した後、仕様を調整して日本市場に投入するというケースが多かった。しかし今回の新製品「SUN2000-125KTL-NHM0」は、リパワリングの機運が高まっている日本市場にフォーカスして投入された戦略製品という位置付けだ。

 小林氏が挙げる「施工性」「信頼性」「機能性」というリパワリング用パワコン選びの条件に合致し、さらに分散型の活用という昨今の太陽光発電運用のトレンドを捉えたファーウェイの新製品。ファーウェイは、リパワリングを検討するオーナー向けに分散型パワコンに入れ替えた場合の収益試算などを無料で実施している。太陽光発電所のリパワリングを検討しているなら、一度相談してみてはいかがだろうか。

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アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2024年3月4日