トリナ・ソーラーが日本市場で新戦略 次世代N型モジュール+蓄電ソリューションを本格展開スマートエネルギーのトータルソリューションプロバイダーへ!

世界的な太陽電池モジュールメーカーのトリナ・ソーラーが日本市場向けの新製品を発表。新型のN型モジュールに加えて住宅・産業用蓄電ソリューションの新製品も投入するなど、“スマートエネルギーのトータルソリューションプロバイダー”としての新たな事業展開を見せている。

» 2024年03月28日 10時00分 公開
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 太陽電池モジュールの世界的大手であるトリナ・ソーラー。2010年に日本法人のトリナ・ソーラー・ジャパンを設立してから10年以上にわたって日本の太陽光発電市場において大きな存在感を示してきた。

トリナ・ソーラー・ジャパン 社長の李娜(リ・ナ)氏

 同社は2024年2月、日本市場向けの新製品群を発表した。新たなN型モジュールに加え、日本でも昨今期待を集めている蓄電池製品も用意されているのが大きな特徴だ。これは、太陽電池モジュールの提供にとどまらず“スマートエネルギーのトータルソリューションプロバイダー”として改めて日本市場にコミットする、同社の新たな姿勢を示すものだという。

 トリナ・ソーラー・ジャパンの社長を務める李娜(リ・ナ)氏は「日本法人の設立以降、日本のユーザーの多様な声に応えてきました。トリナ・ソーラーはグローバルとローカルの融合により、各国の状況に沿って再エネ産業の発展に貢献したいと考えています。2024年、私たちは日本市場のさまざまなニーズを踏まえ、次世代のN型モジュール、自家消費に最適な住宅用蓄電池システム、柔軟性の高い大型産業用蓄電池システムの提供に注力します」と話す。

折半屋根向け、720W両面発電モデルなど、豊富なN型ラインアップ

 トリナ・ソーラーが2024年に展開するモジュールラインアップは、「210R/210角セル+N型i-TOPConモジュール」を中心とするものだ。同社は2023年からN型i-TOPConモジュールを販売しているが、2024年モデルには自社でインゴットからウェハ、セルまでを生産している210Rセル(210mm×182mm)および210角セル(210mm×210mm)が搭載されている。屋根設置用の小型モジュールには幅が狭い210Rセル、地上設置用の大型モジュールには正方形の210角セルを用いることで、スペース効率と発電効率の最大化を図っている。

新世代のN型モジュールのラインアップ

 新たに発表されたモジュールは、住宅・商工業施設向けの「Vertex S+シリーズ」2機種と産業用途向けの「Vertex Nシリーズ」2機種の計4機種。いずれの機種もN型ならではの低温度係数と低劣化率、優れた低照度特性を有し、トリナ・ソーラー独自の高効率レーザーホウ素拡散プロセス、裏面微細構造反射層、PECVD(プラズマ化学気相成長法)によるPoly-Si成膜技術などにより、高い変換効率と信頼性の向上を実現している。「業界最先端の210mmセルとN型の相乗効果により、業界をリードするモジュールラインアップが可能になりました」と李氏は話す。

 4つの新機種は日本のニーズにマッチした個性豊かなものだ。Vertex S+シリーズには、景観条例に配慮した小型高出力(最大出力455W)のフルブラックモデル(NEG9R.25)と500W級(最大出力505W)の折版屋根最適モデル(NEG18R.28)が投入された。フルブラックモデル(NEG9R.25)含め全てのVertex S+VERTEXシリーズは1.6mm厚のダブルガラス構造が採用されており、従来のガラス・バックシート構造と同等の重量を保ちつつ重塩害地域にも対応できる。折版屋根最適モデル(NEG18R.28)は、日本で最も多く普及している500mm折版屋根にフィットするサイズに設計されており、煩雑な配置設計や固定金具の位置決めといった課題を解消する。いずれも屋根上の自家消費型太陽光発電にうってつけのモジュールだ。

 Vertex Nシリーズは主に地上設置用の大型モジュールであり、今回は600W級(最大出力625W)のガラス・バックシート構造モデル(NE19R)と700W級(最大出力720W)の両面発電ダブルガラスモデル(NEG21C.20)がリリースされた。両機種とも、マルチバスバー技術の改善などによって最大出力が同社従来製品比で10W程度アップしている。

 特に両面発電ダブルガラスモデル(NEG21C.20)は大出力を誇り、一般的なN型モジュールよりもBOS(Balance of System)コストの大幅な低減が可能だ。これは2023年に米国RETC(Renewable Energy Test Center)が認定する「トップパフォーマンス賞」を受賞した製品であり、高い性能が求められる。これからの日本の大規模太陽光発電所にもふさわしいものと期待される。

−25℃の極寒でも使える住宅用蓄電池システム

 トリナ・ソーラーは、蓄電池の市場シェアも急速に伸ばしている。住宅用蓄電池は日本でも2020年に事業を着手しており、外資系メーカーとしては早期にJET認証を取得した。日本各地のパートナー企業と連携し、アフターサービスを含むユーザーサポートにも力を入れている。

 新発表の住宅用蓄電池システムは、日本市場向けに開発された寒冷地対応だ。上限45℃から−25℃という極寒の環境でも使用可能であり、屋外の厳しい気温変化に対応する。放熱性や耐腐食性に優れたアルミ製のケースを採用し、標準モデルでも塩害地域で使用できる。厚さ180mmというスリム設計なので、設置スペースに悩むこともないだろう。

寒冷地対応の新型住宅用蓄電池システム(※2025年以降発売予定)

 蓄電容量は、10.24kWhと15.36kWhの2タイプから家族構成やライフスタイルに合わせて選べる。太陽光発電の自家消費率を高めて電気の自給自足を可能にするとともに、災害時の非常用電源としても心強い大容量だ。

 蓄電池のセル(単電池)は、トリナ・ソーラーが独自に開発したリン酸鉄系リチウムイオン電池を搭載する。製品化に当たっては圧壊試験やくぎ刺し試験などを重ねており、電気製品認証協議会(SCEA)が運営する第三者認証制度である「Sマーク認証」も取得している。蓄電池ユニットはトリナ・ソーラー独自のスタック方式で構成されており、修理の際も必要なパーツを交換するだけで済むので大掛かりな運搬や修理は不要だ。

 李氏は、トリナ・ソーラーの蓄電池に関する取り組みについて、次のように述べる。

 「トリナ・ソーラーは、2015年からエネルギー貯蔵について研究し、ストレージ事業を立ち上げました。電池セル、製品、ソリューション提供まで包括する垂直統合型の事業展開を図っており、グローバルにおいて交渉中のプロジェクトが10GWh以上、完工プロジェクトは4GWhに達しています。日本向け製品にも、こうしたグローバルな経験と知見、そして最先端の研究成果が生かされています」

第2世代の大型産業用蓄電池システム「Elementa(エレメンタ) 2」が登場

 産業用蓄電池の分野では、2023年発表の大型産業用蓄電池システム「Elementa 1」の第2世代製品「Elementa 2」を発表した。Elementaは大規模太陽光発電所や系統向けのモジュール型スマート蓄電ソリューションであり、ニーズに合わせてモジュール構成を柔軟にカスタマイズできる。

 Elementa 2には自社開発のリン酸鉄リチウムイオン電池が搭載されており、1万2000サイクルの長寿命を実現。ラックレベルのバッテリー管理システムにより、ライフサイクル全体のエネルギースループットは7%以上アップした。独自のスマート水冷システムによって冷却のためのエネルギーコストを年間13%削減できるという。輸送に適した20フィート標準キャビネットと事前組み立て方式を採用することで、配送コストや設置コストも削減。圧倒的な高エネルギー密度と相まって、LCOE(発電量当たりのコスト)の低減にも寄与する。

産業用蓄電ソリューション「Elementa 2」

 Elementa 1からの変更点として特に注目されるのは、蓄電池の基本スペックとも言える蓄電容量だ。Elementa 1の公称容量が2.236MWhであるのに対し、Elementa2の公称容量は4.073MWhと2倍近くにアップしている。それでいて設置スペースは26%削減されているので、土地活用の面でもメリットは大きい。設置スペースの制約が多い日本では、とりわけうれしい進化点だ。工場や太陽光発電所、系統用蓄電池としても効率的に設置できるだろう。蓄電容量の増強も可能であり、拡張性にも優れている。

 多層的な保護設計や高精度な火災探知・抑制システムの搭載などにより、安全性も高いレベルで確保している。NFPA(全米防火協会)が定める安全基準の855(エネルギー貯蔵システムの設置に関する基準)、2010(エアロゾル消火システムに関する基準)、72(火災警報に関する基準)、70(電気設備基準)にも適合している。

 トリナ・ソーラーの蓄電池システムには、パワーコンディショナー(パワコン)に関する制約がないという特徴もある。近年、大手パワコンメーカーから各種蓄電池システムがリリースされているが、それらは特定企業のパワコンとセットで運用することが前提になっている。しかしトリナ・ソーラーの蓄電池システムなら、基本的にどのメーカーのパワコンとも組み合わせることができる。この点は、先に紹介した住宅用蓄電池システムも同様だ。

スマートエネルギーの「トータルソリューションプロバイダー」へ

 太陽電池モジュールも蓄電池システムも、トリナ・ソーラーは全ての製造工程を自社で手掛けている。モジュールは結晶シリコンのインゴット製造から自社で行っており、新モジュールの根幹を成すN型セルもそこから形成したものだ。蓄電池システムのベースであるセル(単電池)も自社で開発と製造を行っている。原材料調達から生産管理まで、川上から川下までの全工程を自ら担っているからこそ、自社製品に自信を持てるのだろう。

 これについて李氏は、「太陽電池モジュールや蓄電池は長期にわたって使用するものですし、電力というインフラを支える製品として高い品質と安全性が求められます。しかし、他社から購入したものだけを使っているのでは、性能や品質の追求においてどうしても課題が出てきてしまいます。自分たちで全てのプロセスを担い、品質を管理できるということは、トリナ・ソーラーの大きな強みです」と述べる。

 トリナ・ソーラーは、サプライチェーンの上流から生産プロセスを垂直統合すると同時にモジュールメーカーの枠を超え、蓄電池の生産を含めた幅広い再エネ領域に活躍の場を広げている。海外では太陽光発電用の追尾システムや水素に関する研究開発および実証も進めており、将来こうした製品の日本市場への投入も視野に入れているという。

 「私たちは、スマートエネルギーの“トータルソリューションプロバイダー”でありたいと願っています。国内外で培った豊富な経験と最新の研究成果を生かし、お客さまの課題解決に向けて、幅広いトータルソリューションをご提供致します」と李氏は話す。

 トリナ・ソーラーの新製品とこれからの取り組みが、日本の再エネ市場にどんな変化をもたらすのか注目したい。

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提供:トリナ・ソーラー・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2024年5月27日