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» 2009年12月05日 12時30分 公開

第20鉄 晴れた日は紅葉と夜景を楽しむ――丹沢・大山観光電鉄杉山淳一の +R Style(3/5 ページ)

[杉山淳一,Business Media 誠]

なんと29年も運休していたケーブルカー

 庶民に大人気の大山詣でのために、道中を楽にしようと建設された鉄道がケーブルカーだった。開業は1931(昭和6)年で、当時は大山鋼索鉄道という会社が運行していた。ところが開業から13年目に国から廃止を命じられてしまう。第二次世界大戦が始まり、不急不要線と認定されたからだ。「大山祗大神」は軍神でもあったはずだが、江戸時代から続いてきた娯楽色がいけなかったらしい。現在のケーブルカーは廃止から29年後の1965(昭和40)年に復活した。高度経済成長によって企業の慰安旅行が増えた時期である。

 運営会社の大山観光電鉄は小田急電鉄の系列で、バスの神奈川中央交通も出資している。そんな経緯からか、小田急では「丹沢・大山フリーパス」を販売している。AキップとBキップの2種類があって、小田急線と神奈川中央バスの一部区間と大山ケーブルが乗り放題となる。AキップとBキップの違いは大山ケーブルが含まれるか否か。Aキップなら大山ケーブルも乗り放題だ。小田急線各駅からの往復運賃もセットになっていて、新宿からのAキップは2140円だ。

大山ケーブル駅から出発(左)。短い路線ながらトンネルとカーブがある(右)

 大山ケーブルは路線距離800メートル、高低差は278メートル。大山ケーブル駅を出たケーブルカーは、トンネルを通り抜けてカーブした線路を行く。曲線区間のケーブルの誘導というと難しい技術のような気がするけれど、しっかりした足取りでグイグイ上る。ケーブルカーのすれ違い地点は駅になっている。大山寺駅といい、その名の通り大山寺の最寄り駅だ。

すれ違い地点は大山寺駅。旧駅名「不動前」は大山寺の本尊「不動明王」が由来

 大山寺の次が終点の阿夫利神社駅。大山ケーブル駅から阿夫利神社駅までの所要時間は約6分だ。山を登っていく気分で上を見ても楽しいが、下を見ながら登ると、手前の森の向こうに相模湾の風景が広がっていく。この動きはとても立体的で、自分が高みに上っていくんだ、と実感させてくれる。

阿夫利神社駅付近のモミジ。針葉樹との対比が美しい

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