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» 2010年10月19日 12時07分 公開

第41鉄 夏の青春18きっぷ旅・最終回 富士山外周、山北駅のD52とB級グルメを訪ねる杉山淳一の+R Style(2/6 ページ)

[杉山淳一,Business Media 誠]

 東京駅から1時間ちょっとで国府津駅に到着する。電車の基地があり、湘南新宿ラインの折り返し駅としても知られている駅だ。ひっそりとした駅構内に、15両編成のE231系が3本もたたずんでいる。その間に挟まれて、見慣れぬ白い電車が停まっていた。JR東海の313系電車だ。御殿場線はJR東海の管轄で、この列車は2両編成のワンマン運転である。ロングシートは地元のお客さんで埋まっていたので、またしても運転台の後ろに立つ。発車すると、いくつもある線路のうち中央の高架線を上っていく。この線路は複線のように見えるけれど、左側は国府津車両センターへの入出庫用線路、右側が御殿場線である。私が乗ってきた東海道線のE231系も入庫するため走り出し、2つの列車が仲良く並んで同じ方向に走っている。なんとなく愉快である。

国府津駅。E231系は東海道線東京口の定番の顔になった
JR東海の313系電車。大蛇(E231系)に囲まれたウサギのような位置
国府津駅構内。ポイントがたくさん、豪華だ(笑)

御殿場線山北駅、日本最強の蒸気機関車が眠る

 御殿場線は単線で、列車は前述のとおり2両編成。大動脈の東海道本線に比べると閑散としたローカル線だ。しかし、こちらが開業当初の東海道本線であった。明治時代の鉄道技術では“天下の険”の箱根の山を越えられなかったため、足柄、御殿場を迂回するルートとなったという。1934(昭和9)年に熱海側の丹那トンネルが開通して、東海道線は現在のルートになった。支線となった御殿場線は複線化されていたが、太平洋戦争の物資不足で線路をはがされて単線になった。現在も、トンネルや鉄橋に複線時代の名残が見られる。

 箱根を迂回したという御殿場線ではあるが、決して平坦な線路ではない。国府津を出ると緩やかな上り坂が続く。線路脇の勾配標を見ると10パーミル前後であった。パーミルは「%」に0をくっつけたような記号を使って表し、日本語だと「千分率」。百分率を%というけれど、こちらは千分率である。

 10パーミルの勾配とは、1000m進むと1メートルぶんの高度が変化するという意味だ。10パーミル程度だとなだらかな坂道で、ほとんど平坦に見える。しかし蒸気機関車にとっては「がんばらなくちゃ」と気合いを入れるべき坂道になる。

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