夢のコラボ! 皆川明インタビュー「不完全な美しさ」(1/3 ページ)

» 2011年09月27日 14時19分 公開
[松浦明,エキサイトイズム]
エキサイトイズム

エキサイトイズムとは?

「高い美意識と審美眼を持ち、本物を知った30代男性」に向けたライフスタイルのクオリティアップを提案する、インターネットメディアです。アート、デザイン、インテリアといった知的男性の好奇心、美意識に訴えるテーマを中心に情報発信しています。2002年11月スタート。

※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 伊勢丹新宿店が今秋開催するデザインイベント「ISEATN LIVING × DESIGNTIDE TOKYO 2011 LOVE COMMUNICATION」の中心企画として、リチャード ジノリとそのアートディレクターを務めるデザイナー、パオラ・ナヴォーネさん、そしてファッションブランド「ミナ ペルホネン」の夢のコラボレーションが実現することになった。11月2日からの販売に先駆けて、「ミナ ペルホネン」のデザイナー皆川明さんにメイキングストーリーを聞いた。

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――今回のプロジェクトは、皆川さんが昨年開催された「RICHARD GINORI “CIAO CIAO”collection by paola navone」の会場を訪れたことが、最初のきっかけだったと伺いました

皆川 そうなんです。パオラのグラフィックがとにかくものすごく素敵で。ディスプレイも素晴らしかったですよね。偶然通りかかったのですが、その世界観にとても感激して。たまたまそこに通りかかった伊勢丹新宿店の担当者さんにもその感想を伝えたんです。そのときはもちろん、自分が1年後にパオラとコラボレーションするとは夢にも思っていませんでしたが……。幸せな偶然の重なり、運命的な出逢いでした。

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正直なところ、それまでジノリのような老舗の洋食器を普段あまり日常的には使っていなかったのです。パオラの「CIAO CIAO」に出会うまでは、洋食器の決まった形よりもひとつひとつ形に表情がある日本の食器の方がいいなと思っていたのです。でも「CIAO CIAO」を初めて見たときに、それまで洋食器に感じたことのない「楽しさ」を知り、変な言い方かもしれませんが「こういう洋食器の世界もありだな」と思ったのです。

――パオラ・ナヴォーネさんとのファーストコンタクトはパリ・マリ地区で開催されていた「ミナ ペルホネン」のコレクション会場だったと伺いましたが、そのときのエピソードをお聞かせください

皆川 パリでのパオラとの対面はとても印象的な時間でした。たまたま、前夜にパリのメルシーで開催されたパーティでも彼女のことを見かけたのですが、そのときも彼女のまわりにはほかとは違う特別な空気が流れているような、そんな不思議な魅力を感じさせる人、というのが最初に彼女から受けた印象です。

実際のファーストコンタクトとなったコレクションの会場では、私もイタリア語が得意ではないため、互いに言葉ではほとんどコミュニケーションを交わさなかったのですが、私が彼女に渡した数十枚のデザインスケッチを一緒に見ながら、言葉と国を超えて互いのデザインについて理解し合えることの素晴らしさを実感しました。

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――皆川さんはご自身でもよく料理されるそうですが、今回「LOVE COMMUNICATION」のテーマでデザインを描き起こす際に、具体的な料理のインスピレーションはあったのでしょうか?

皆川 もともとテーマとなる色は「赤」と決まっていたので、そのテーマカラーは尊重しながらも、「これはメインディッシュでも使えそうかな?」「これは魚料理に合うんじゃないかな?」と、そのほかにも肉であったりサラダであったり、自分なりに料理を想像しながらひとつひとつのスケッチを起こしました。やはり同じ赤を使うにしても、色の分量のバランスひとつで料理の見え方はずいぶんと変わりますから。

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