第54鉄 乗り物いっぱい富士山めぐり(前編) 富士登山電車とオープンバス杉山淳一の+R Style(4/4 ページ)

» 2011年10月08日 12時30分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]
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オープンバスで富士山麓めぐり

 富士急ハイランドも楽しいところだが、今回は富士登山電車で河口湖駅まで乗り通す。もうひとつのお目当てはバスだ。富士山エリアには、電車だけではなく、面白いバスも走っている。そのひとつがこれ、陸のカバこと『KABA BUS』。ハイデッカーの観光バスなのだが、よーく見ると、なんと屋根がない。オープンカーならぬ「オープンバス」なのだ。

富士急ハイランドの脇を通り……
河口湖駅に到着。晴れていれば背景に富士山が見えたのだが。残念!
オープンバス『KABA BUS』で山麓周遊観光へ。よーく見ると、屋根がない

 『KABA BUS』は午前と午後の1回ずつの運行。富士山駅を出て河口湖駅に立ち寄り、富士山麓を周回して河口湖駅・富士山駅に戻ってくる。河口湖駅からの所要時間は約60分。コースは季節ごとに異なっており、私が乗った時期は夏のコース。河口湖畔、逆さ富士が見えるというポイントを通り、富士山が最もよく見えるという河口湖大橋を渡る。そして夏のスペシャルポイントは赤松林の森林浴。頭上を緑のトンネルが覆い、涼しい風と森の香りに包まれる。これはとっても心地よい。この日は富士山が見えなかったが、緑のトンネルドライブだけで満足できた。

 森林浴コースの帰り道、スバルラインにはちょっとした「音の仕掛け」が用意されている。これには思わずニヤリとしてしまった。ぜひ、ドライブして体験してほしい。乗用車でも体験できるそうだが、重量のあるバス、それも、外の音がよく聞こえるオープンバスのほうが楽しめるだろう。

本当は逆さ富士の名所……なのだけれど、見えない時のガイドさんのフォロートークが面白かった
夏季限定の森林浴コース。秋は紅葉のトンネルコースに変更されるという

 河口湖駅に戻ってきたら、ちょうどランチタイムになった。富士山といえば富士吉田の吉田うどんが思い浮かんだけれど、空腹に我慢できず、駅前のほうとう専門店へ。観光客目当ての駅前店なんて……と期待していなかったけれど、とてもおいしかった。

 ゴキゲンな列車に乗って、楽しい観光バスに乗って、おいしい物を食べて……と大満足な旅。実はまだ、行程の半分だ。次回、後編ではチビッコも大好きなトーマスランド号と、もうひとつのユニークバスを紹介しよう。(後編へ続く)

山梨の郷土料理「ほうとう」。先に麺を食べよう。あとになるほど野菜に味がしみていく
map 今回のルート。ここをクリックすると筆者による各ポイントについての説明が読める

今回の電車賃

JR東日本 新宿−大月 1280円

富士急行 フジサン特急フリーきっぷ 2200円 富士登山電車乗車整理券 200円

オープンバス KABA 1200円

以下、後編の交通費

富士山駅−旭日丘 富士急行バス 620円(後編)、水陸両用バス KABA 2000円 (後編)、旭日丘−富士山駅 富士急行バス 620円(後編)、JR東日本 大月−新宿 1280円(後編)

※東京からは、「河口湖・山中湖セレクトフリーきっぷ」(4500円)が便利。往復のJR運賃と富士急行フリーきっぷ、バスチケット(4種類から選択)のセット。(KABA 富士登山電車などは含まれない)


著者プロフィール:杉山淳一

book A列車で行こう9 公式ガイドブック(エンターブレイン)

 肉食系鉄道ライター(魚介類が苦手)にして、前世からの鉄道好き。生まれて間もなく、近所を走っていた東急池上線の後をついていったという逸話あり。曰く「いつもそばを走ってたから、あれが親だと思った」

 日本工学院大学非常勤講師(テキスト商品学)。コンピューター系出版社でゲーム雑誌の広告営業を経験した後、フリーライターとなる。オンライン対戦ゲーム、フリーウェア、PCテクニカルライティングなどデジタル系の記事を専門とし、日本初のEスポーツライターとしてオンライン対戦ゲーム競技を啓蒙する。

 趣味は日本全国の鉄道路線探訪で、現在の路線踏破率は約8割。著書は『もっと知ればさらに面白い鉄道雑学256(リイド社)』『知れば知るほどおもしろい鉄道雑学157(リイド社)』『A列車で行こう9 公式ガイドブック(エンターブレイン)』『A列車でいこうDSナビゲーションパック(アートディンク:同梱冊子担当)』など。


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