先ほど私は、同行者をともなって成田空港に到着した。これから向かうのは英国・ロンドン、利用するのはANAの直行便だ。今回からスタートする「旅客機・空港のQ&A」シリーズ──その第1回では、空港到着後から出発までの素朴な疑問についてお答えしていこう。
私たちがこれから乗るANAロンドン行きの便名は「NH201便」。帰国は同じANAの「NH202便」を利用する予定だ。同行者が何年か前にロンドンを旅したときに使ったのは英国のヴァージンアトランティック航空だそうで、成田からの往路は「901便」、ロンドンからの復路には「900便」という便名がつけられていたという。これらの便名の数字から、同行者は「奇数便は日本から海外へ、偶数便は海外から日本へというルールがあるのですね」と話すのだが……。
ところが同じANAでアメリカのニューヨークに向かうと、今度は成田からの往路が偶数の「010便」で、ニューヨークからの復路が奇数の「009便」に。奇数と偶数が反対になる。
旅客機の便名を表す数字は、いったいどうやってつけられているだろう。エアライン各社に共通する決まったルールがあるのだろうか?
結論から言うと、便名の数字のつけ方にすべてのエアラインに共通するルールはない。ただしANAの例でも分かるように、国際線の場合に多いのが、地球全体で見て東から西へ向かう便には奇数の、反対に西から東へ向かう便には偶数の便名をつけるというケースだ。
例えばANAのパリ線には、成田からパリ(西)に向かう往路のフライトには奇数の「205」を、反対(東)に向かう復路には偶数の「206」という数字を割り当てている。もっともこれは、“世界共通”のルールというわけではない。エアラインによっては、西と東で奇数・偶数を反対に設定したり、自国から他国への便と他国から自国への便で奇数と偶数に分けている例もある。
また、各社とも「001/002」には、そのエアラインにとってのメイン路線か古くからある路線に割り振る例が多いようだ。ちなみにANAでは、成田/ワシントンDC線に「001/002」の便名を採用。JALは羽田/サンフランシスコ線に、外資系エアラインでは大韓航空がソウルから成田を経由してロサンゼルスを結ぶ便に「001/002」の便名をつけている。
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