Interview:重松象平「チャーリー・コールハース建築写真展」(1/3 ページ)

» 2012年01月10日 14時42分 公開
[加藤孝司,エキサイトイズム]
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※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 東京・恵比寿でチャーリー・コールハース建築写真展「Metabolism Trip」が1月15日まで開催中だ。チャーリー・コールハースさんは、ヴィトラなどでも個展を開催するなど、グローバルに活動するオランダ出身の社会学者でアーティスト。

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 本展のテーマとなったメタボリズムは現在、東京・六本木の森美術館で大規模な回顧展が開催され、世界的に再評価の機運が高まっている「新陳代謝」を意味する日本発の世界的な建築運動だ。

 会場構成を担当したのは、建築家の重松象平さん。重松さんはレム・コールハースさんが組織する建築設計事務所OMAの日本人初のパートナーであり、NY事務所代表を務める。ギャラリーここでの会場構成は、2010年の「NEW YORK The Loudest」、渋谷慶一郎さんの「MASSIVE LIFE FLOW」に続いて3度目となる。

 会場はチャーリー・コールハースさんの写真作品が天井から吊るされており、写真のあいだを自由に歩き回りながら楽しむ構成になっている。重松象平さんに会場構成とメタボリズムについて話を聞いた。

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―― 会場構成についてお聞かせください

 今回の写真は、40年以上前につくられたメタボリズム建築が、今どのように使われているのかということがテーマになっていますが、僕はそれをもう少し彼女の私的なトリップとしてとらえました。そこで、最初に彼女からコンタクトシートをもらったときのまま、それを展示にしてしまおうと考えました。それと外国から来た彼女が、1960年代という、メタボリズムが華やかな時代にタイムスリップしたかのように、昔のメタボリズム建築を訪れたときのわくわく感やドキドキしている感じを、この展示を見た人が追体験できるようにしたいと思いました。

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 等間隔に写真を天井からスチールの棒で固定して吊り下げ、その間を来場者の方が歩いてみてまわることで、1つの写真をみていると、自然とほかの写真がみえたりと、あたかも風景をみているような、実際の街の中を歩いているような感じにしています。

 僕は1973年生まれなのですが、そのころというのはメタボリズム運動が全盛期を過ぎて、日本経済が衰退し始めたころです。そんな時代背景もあって、僕なりのメタボリストたちのユートピア的な思想に憧れがあって、この展示を通じて自分自身もそのころの思いを追体験できればと思っていました。

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