6代目「Audi A6 Avant」、美しさと軽やかさで新しい価値観を創出

[岡田大助，Business Media 誠]

　「美しくなければアバントと呼ばない」――およそ30年前、商用車のイメージが強かったステーションワゴンに再評価をもたらしたアウディの思想は、今日もなお色濃く残っている。アウディ ジャパンは2月9日、ステーションワゴン「Audi A6 Avant」のフルモデルチェンジを発表した。2月下旬から販売を開始し、価格は2.8 FSI quattroが640万円、3.0 TFSI quattroが865万円。

Audi A6 Avant（画像をクリックすると拡大します）

　2011年8月にフルモデルチェンジしたセダン「Audi A6」同様、レース技術をフィードバックした軽量化技術「Audi ultra」の導入により、モノコックボディの約20％にアルミを使っている。この数年、安全基準をクリアするために重量増となっていたクルマづくりに一石を投じるもので、安全性や快適性を確保しつつ、前モデルから約20キロの軽量化を果たした。

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　新型A6 Avantのテーマは「美しさと軽やかさ」だという。例えば、インテリアでは日本の包丁を意識した。それは形だけではなく、「シンプルでシャープ、そして高い機能性を併せ持つ」というモノのあり方。標準装備のBOSEサラウンドシステムは14スピーカー（600ワット）により車内に心地よい環境を作り出す。また、オプション装備としてBang＆Olfsenアドバンスドサラウンドシステム（15スピーカー、1200ワット）も用意。

　ラゲッジ容量は、通常時565リットル、最大1680リットルという大容量を実現。荷物で両手がふさがっていても「ペダルを踏む」ゼスチャーで自動的にテールゲートが開く「バーチャルペダル付きオートマチックテールゲート」をオプションで用意する。これは、リアバンパー下部に設置したセンサーによるものだ。

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　もう1つのキーワードは「6＋4」。これは、V型6気筒エンジンとフルタイム4WD「quattro」を意味する。2.8リッターV型6気筒DOHC直噴エンジン（最高出力150キロワット、最大トルク280ニュートンメートル）と3リッターV型6気筒直噴スーパーチャージャーDOHCエンジン（同228キロワット／5500〜6500rpm、440ニュートンメートル／2900〜4500rpm）を用意し、7速デュアルクラッチミッションと組み合わせる。燃費は2.8 FSI quattroがリッター11.8キロ、3.0 TFSI quattroがリッター11キロ（いずれもJC08モード）だ。

「Cセグメントのクルマを希望するプレムアムなユーザーは6気筒エンジンにこだわる。V6エンジンは、燃費面でほかのエンジンよりも悪いといわれているが、先代モデルと比べて約22％の燃費向上を実現し、エコカーとしても認められている」（マティアス・シェーパース 営業オペレーション本部長）

　ターゲット層は、アクティブなエグゼクティブ層だ。シェーパースさんによれば、この層のユーザーは「自分の価値観に絶対的な自信を持っており、購入するものは自分を映す鏡だと思っている」という。「プレミアムブランドとして大切なことは、その価値観を提供すること。彼らが絶対にほしいと思っているアイテムはすべて標準装備としている点に、競合車種との“こだわりの違い”をみてほしい」（同氏）

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　ボディサイズは4940×1875×1495ミリ（全長×全幅×全高）、ホイールベースは2910ミリ。サイズは先代とほぼ同じだが、ホイールベースを70ミリ延長しつつ、フロントオーバーハングを80ミリ短くした。車両重量は1830キロ。ボディカラーは、アイビスホワイト、ダコタグレー、アイスシルバー、ハバナブラック、ムーンライトブルー、ウーロングレー、ファントムブラック、グレイシアホワイトの8色を用意する。

　6代目となるA6 Avantの記者発表会では、クラシックバレーダンサーの橘るみさん（東京シティバレエ団 プリマ）と三木雄馬さん（谷桃子バレエ団 プリンシパル）が同車の「美しさと軽やかさ」をイメージしたオリジナルパフォーマンスを披露。橘さんは「アウディの技術を磨くための努力は、自分を美しく見せるための日ごろのレッスンと似ている」、三木さんは「バレエはただ高く、多く回ればいいというものではなく、観客にゆとりや安心感を抱かせることも重要。これを両立させることが美しさにつながる」とコメントを寄せた。

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