アウディ、日本に10台だけの「Audi R8 GT Spyder」――2012年のモータースポーツ活動も発表(1/3 ページ)

» 2012年03月26日 17時49分 公開
[吉村哲樹,Business Media 誠]

 アウディ ジャパンは3月22日、東京・新木場の倉庫街に設置した特設会場で、同社の2012年のモータースポーツ活動計画およびニューモデル「Audi R8 GT Spyder」を発表した。

 同社は2012年、日本国内におけるカスタマーレーシング活動の一環として、レース専用モデル「Audi R8 LMS」およびその後継モデル「Audi R8 LMS ultra」をスーパーGT300クラスに参戦する3チームに提供する。また、「Audi R8 Spyder」の限定バージョンである「Audi R8 GT Spyder」が333台生産され、そのうち日本に10台を提供する。

今年もモータースポーツを通じた技術開発を続けるアウディ

 アウディ ジャパンのの大喜多寛社長は、アウディがモータースポーツ活動に積極的に取り組む意義について次のように述べた。

「これまでアウディは、クワトロ4WDや直噴エンジンなど、モータースポーツで培った技術を市販車にフィードバックしてきた。今後もモータースポーツの場を通じた技術革新へのチャレンジを続け、それを市販車に反映することでお客さまに価値を提供していく」

 アウディの2012年のモータースポーツ活動は、大きく3つの柱で構成される。1つは、2012年から装いを新たに再スタートしたFIA世界耐久選手権(WEC)。すでに3月17日から18日にかけて行われた第1戦「セブリング12時間レース」で、アウディは前年のル・マン24時間の優勝マシン「Audi R18 TDI」で1−2フィニッシュを飾っている。

 さらに、5月に行われる第2戦「スパ・フランコルシャン6時間レース」からは、同マシンの進化形「Audi R18 ultra」と、ディーゼルエンジンと電気モーターのハイブリッドシステムによる4WDマシン「Audi R18 e-tron quattro」を投入する予定。

「10月には、富士スピードウェイで第7戦が開催される。ぜひ皆さんにも、サーキットに直接足を運んでいただければと思う」(大喜多社長)

Audi Audi R18 ultra(左)とAudi R18 e-tron quattro(出典:アウディ ジャパン)

 2本目の柱は、ドイツツーリングカー選手権(DTM)への参戦。アウディのファクトリーチームは、「Audi A5 DTM」で2012年シーズンのDTMを戦う。DTMは欧州で最も人気の高いツーリングカーレースだが、2012年はBMWの参戦によって一層人気が高まることが予想されるという。

Audi ノバエンジニアリングの森脇基恭さん

 そして3本目の柱が、プライベーターチームにレース車両の提供とサポートを行うカスタマーレーシング活動だ。アウディは、同社のスポーツモデルやレース専用モデルを手掛ける子会社クワトロGmbhを通じて、GT3カテゴリ用のレースマシン Audi R8 LMSを提供しており、日本国内においてもヒトツヤマ・レーシングが同マシンで2011年のスーパー耐久シリーズに参戦している。

 そして2012年、同マシンをバージョンアップしたAudi R8 LMS ultraを提供する。日本国内におけるアウディカスタマーレーシングのサポートサービスを提供するノバエンジニアリングの森脇基恭さんは、Audi R8 LMS ultraについて次のように説明する。

「Audi R8 LMSと比較すると、リアウィングやフロントスポイラーの形状見直しによる空力改善、ドアをカーボン素材にするなどの各種軽量化、フロントタイヤのサイズアップなど、さまざまな点で改善が施されている。Audi R8 LMS ultraが参戦するGT3カテゴリは各マシンの実力が拮抗しており、非常にエキサイティングなレース展開が楽しめる。ぜひ皆さんにも注目していただきたい」

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