累計219億食、「永谷園のお茶づけ」60年の歴史を振り返る

» 2012年04月12日 10時55分 公開
[Business Media 誠]

 1952年に登場した「永谷園のお茶づけ」。1956年の商標登録以来、大きなリニューアルもなく、歌舞伎の定式幕になぞらえた「黄・赤・黒・緑」の縞模様のデザインでおなじみとなっている。2012年、永谷園のお茶づけは60周年を迎える。その歴史を振り返ってみよう。

累計219億食以上、人気の味付けは?

永谷園 永谷園のお茶づけ(出典:永谷園)

 永谷園が公開したデータによれば、シリーズの累計食数は219億食以上。抹茶、塩、砂糖などの調味料、あられ、海苔だけで作られる「お茶づけ海苔」だけでも138億食以上という数字になる。1953年~2010年までで考えると、平均で年間2億食以上となり、日本の人口を超える。

 現在のシリーズ構成は5種類。2011年4月から2012年1月までの売上比でみると「お茶づけ海苔」(52%)、「さけ茶づけ」(29%)、「梅干し茶づけ」(14%)、「たらこ茶づけ」(1%)、「わさび茶づけ」(4%)となる。圧倒的にシンプルな「お茶づけ海苔」がシェアを持っていることが分かる。

 おそらく「お茶づけ海苔」の人気には、ちょい足し需要が底上げしている可能性がある。同社がアンケートのフリーアンサーとして「お茶づけ海苔」のトッピングを聞いたところ(回答数149件、複数回答式)、1位が梅干し、2位には鮭とわさび、3位が昆布の佃煮という結果に。しかも、梅干しは2位の鮭とわさびの2倍の得票を得たという。このほか、変わったところではチーズやキムチといった意見もあったそうだ。

お茶づけにかけるのは、お茶か水か?

 ごはんのほかにもう1つ、「永谷園のお茶づけ」になくてはならないもの。それは、何をかけるのか。永谷園によれば、「関東ではお湯派、関西ではお茶派が多いと以前より言われている」ということだが……。

 実際に調査してみたところ(回答数827件、複数回答式)、関東では「お湯・水」が77.5%、「お茶(温・冷)」が50.5%、関西では「お茶(温・冷)」が73.5%、「お湯・水」が57%となった。永谷園では、「関西でお茶派が多い傾向にあるのは、元来、関西地方でお茶文化が根付いているから」ではないかとしている。

永谷園のお茶づけ、豆知識

 発売当初の商品名は「江戸風味 お茶づけ海苔」だった。1956年の商標登録時に「永谷園の お茶づけ海苔」に変更されている。

 1965年〜1997年の32年間、「東西名画選カード」が商品に同封されていた。「歌川広重・東海道五十三次」シリーズや「ルノワール」「竹久夢二」など全10種類の「東西名画選セット」プレゼントの応募券としてしられているが、開始当初の目的は商品確認のための検印紙だった。

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