雨で波乱の第2戦「富士」、初音ミク BMWがGT300クラスを制すSUPER GT 2012(2/4 ページ)

» 2012年05月21日 08時00分 公開
[奥川浩彦,Business Media 誠]

雨がもたらした幸運をつかみ、逆転で初音ミクBMWが優勝

 GT300クラスは外国車勢が有利といわれる中、国産車勢の健闘が光ったレースとなった。スタート直後の雨の混乱を乗り切り序盤でトップに立ったのは15号車 ART TASTE PORSCHEのヨルグ・ベルグマイスター選手。中盤はピット戦略の違いで66号車 triple a Vantage GT3(吉本大樹/星野一樹)、11号車 GAINER DIXCEL R8 LMS(田中哲也/平中克幸)、0号車 GSR 初音ミク BMW(谷口信輝/片岡龍也)がトップの座を入れ替えた。

SUPERGT GT300クラスを制した0号車 GSR 初音ミク BMW(画像をクリックすると拡大します)

 レースが後半に差しかかったところで15号車 ART TASTE PORSCHEがストレートエンドで大クラッシュを起こしリタイヤ。ティム・ベルグマイスター選手はヘリで病院に運ばれ、命の別状はないが肋骨を折る重傷を負った。

 レース後半でトップに立ったのは燃費の良さを生かしピット回数を減らした43号車 ARTA Garaiyaの高木選手。2位には2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電の加藤選手が続き、国産車が1位、2位に立った。すぐ後方に0号車 GSR 初音ミク BMWの谷口選手、少し離れた4位には66号車 triple a Vantage GT3の星野選手が続いた。

SUPERGT 2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電(画像をクリックすると拡大します)

 残り20周で降り出した雨がレースを大きく動かした。雨で最もペースダウンしたのはトップを走っていた43号車 ARTA Garaiyaの高木選手。逆に上位との差を一気に縮めたのは0号車 GSR 初音ミク BMWの谷口選手だった。

SUPERGT 43号車 ARTA Garaiya(画像をクリックすると拡大します)

 0号車 GSR 初音ミク BMWの谷口選手は残り12周で2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電の加藤選手を抜き2位に浮上。勢いは止まらず残り9周で43号車 ARTA Garaiyaの高木選手も抜きトップに立った。43号車 ARTA Garaiyaの高木選手は急速にラップタイムを落とし2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電の加藤選手、66号車 triple a Vantage GT3の星野選手も抜かれ4位に後退した。

 0号車 GSR 初音ミク BMWの谷口選手はそのままトップでチェッカーを受け今季初優勝。最終ラップは2位の2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電の加藤選手に3位の66号車 triple a Vantage GT3の星野選手が1.5秒差に肉薄するがそのままゴールとなった。

SUPERGT 66号車 triple a Vantage GT3(画像をクリックすると拡大します)

 3位の66号車 triple a Vantage GT3はこのレースから投入されたアストンマーチンの新型マシン。デビューレースで表彰台を獲得した。開幕戦でリタイヤに終わったプリウス(31号車 apr HASEPRO PRIUS GT)は6位、スバルBRZ(61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT)は9位と健闘した。今シーズンから投入されたメルセデス・ベンツ(52号車 GREEN TEC & LEON SLS)も10位で初ポイントを獲得した。

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