ただの都会派コンパクトSUVではない、Q5譲りの力強さも備えた「Audi Q3」試乗インプレッション(1/4 ページ)

» 2012年06月11日 16時10分 公開
[吉村哲樹,Business Media 誠]

 アウディ・ジャパンが2012年5月、日本市場に投入した新モデル「Audi Q3」。Audi Q7、Audi Q5の弟分に当たるSUVモデルで、いわゆる「プレミアムコンパクトSUV」と呼ばれるセグメントに属する。

Q3 Audi Q3。価格は479万円(画像をクリックすると拡大します)

 輸入車としてはBMW X1が現時点では非常に高いシェアを持つこのセグメント。Audi Q3はこれに真っ向勝負を挑むことになる。すでに展開しているAudi Q5が、ワンランク上のセグメントで好調な販売実績を上げているだけに、今回のモデルにもおのずと高い注目が集まる。

 アウディがAudi Q3のユーザー層として想定するのは「Urban Life Explorer(アーバンライフ エクスプローラ)」。毎日をアクティブに活動する都市生活者が主なターゲットだ。

 こう聞くと「オシャレな都会人向けの上質な輸入車」というありがちなイメージを抱きがち。だが、Audi Q5より一回り小さくて軽量なボディに同じエンジンを横置きで搭載し、おなじみのクワトロ4WDシステムを組み合わせるなど、走行性能の面でも大いに期待できる。

 今回、発売されたばかりのAudi Q3を箱根で試乗する機会を得たので、走りのパフォーマンスも含め、その乗り味をさまざまな角度からレポートしてみたい。

エンジン設定の異なる2タイプを用意

Q3 最高出力211馬力、最大トルク300ニュートンメートルを発揮する2リッターTFSIエンジン(画像をクリックすると拡大します)

 試乗したモデルは「Q3 2.0 TFSI quattro 211PS」。搭載するエンジンは、直噴システムとインタークーラー付ターボを備えた2リッター直列4気筒TFSIエンジンだ。

 「小排気量+過給器」という、最近の欧州車の主流であるダウンサイジングコンセプトに沿って開発されたエンジンで、最高出力は155キロワット(211馬力)/5000〜6200回転と若干控えめなものの、1800回転から早くも最大トルク300ニュートンメートル(〜4900回転)を発生するトルク重視型エンジンだ。

 このエンジンに、デュアルクラッチ方式の7速 Sトロニックミッションと、アウディおなじみのフルタイム4WDシステム、クワトロが組み合わされる。

 ちなみにAudi Q3には、同じエンジンのセッティングを変更して、最高出力125キロワット(170馬力)、最大トルク280ニュートンメートルとしたものを搭載するベーシックグレード「Q3 2.0 TFSI quattro 170PS」も存在する。こちらは、2012年秋の発売が予定されている。

Q3Q3 上端の角を落とした新しいシングルグリルフレームとラップラウンドデザインのテールゲート(画像をクリックすると拡大します)
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