ただの都会派コンパクトSUVではない、Q5譲りの力強さも備えた「Audi Q3」試乗インプレッション(2/4 ページ)

» 2012年06月11日 16時10分 公開
[吉村哲樹,Business Media 誠]

「SUVくささ」を薄めた都会的なデザイン

 実車を目の前にしての第一印象は、「いい意味でSUVっぽくないデザインだな」ということ。特に横から見たときに、低めのルーフと傾斜の強いCピラーが、全体的にとてもスマートな印象をかもし出す。なるほど、確かに都市生活者をユーザー層に想定しているだけあって、都会的で流麗なデザインだ。

Q3
Q3Q3 クーペ風なスタイリングですっきりとまとめた(画像をクリックすると拡大します)

 実際にドライバーズシートに収まってみると、SUVならではの室内の広々感とともに、インテリアの質感の高さが目を引く。水平ラインを強調したコンソールのモダンなデザインも相まって、コンパクトモデルでありながらも十分にプレミアム感が演出されていると感じた。

 走り始めてまず感じたのは、室内の静寂性の高さだ。静かとは言っても、アクセルを踏み込めばある程度のエンジン音は入ってくる。しかし、それも落ち着いた低音域の音で、決して不快に感じることはない。ロードノイズも、かなり効果的に遮断されている。

 試乗車にはオプションのBOSEサラウンドサウンドシステムが搭載されていたが、ボリュームをかなり絞ってもその音質の良さが分かることから、キャビン内の音響環境にはかなり気が配られているように感じた。

 乗り心地は、「固くもなく、柔らかくもなく」といった印象だ。路面のギャップを通過する際は「コツン、コツン」と軽いショックが伝わってくるが、それも最小限に抑えられている。決して乗り心地最優先のセッティングではないものの、それよりSUV特有の重心の高さから来る不安定感を一切感じないところに、セッティングの妙を感じた。

Q3Q3 コンパクトSUVながらも広々とした室内。静寂性の高さは際立っている(画像をクリックすると拡大します)

 また、Audi Q3にはアイドリングストップ機構「スタートストップ システム」を標準装備している。発進時にセルモーターを回してエンジンを再始動する、極めてオーソドックスなアイドリングストップ機構だが、エンジン再始動は非常に素早くスムーズだ。これなら、ストップ&ゴーを頻繁に繰り返す市街地走行でも、ほとんどストレスを感じることはないだろう。

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