タフなG-SHOCKの“大敵”は? 山形カシオに潜入した仕事をしたら“静電気とゴミ”がなくなった(4/7 ページ)

» 2012年07月27日 12時10分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

違った視点で時計を見る

土肥:想像以上に細かい部品がたくさんありますね。このワッシャーの厚みはどのくらいなのですか?

後藤:100分の1ミリ程度ですね。

土肥:時計には精密な部品がたくさんありますが、ここで働くにはどのようなタイプの人が向いているのでしょうか?

後藤:「この性格の人が向いている!」というのはないと思います。いろいろなタイプの人がいれば、違った視点で時計を見ることができる。そうすれば、結果的に、いい時計ができるのではないでしょうか。

 よく「手先が器用な人のほうがいいのでは?」といった声を聞くのですが、必ずしもそうではありません。時計をつくるには細かい注意点があるので、そこを見逃してはいけません。たくさんある注意点を守って、それを他人に伝えなければいけない。なのでコミュニケーション力が必要になってくるでしょうね。

 この山形カシオでやってきたノウハウは、海外にも伝えなければいけません。日本人だけでなく、中国やタイで働いている人にも分かるように伝えなければいけないので、そういう意味での気配りが必要でしょうね。

写真左は基盤組立ライン、右は基盤の完成品。基盤組立はモーターの制御や電波受信を行うために、さまざまな電子部品を搭載する工程になる。回路基盤の中心部分はLSI。LSIには時計の動きを制御する回路やキー操作など、機種によって異なるソフトがプログラムされている。ソフトはG-SHOCK「GW-A1000」用に開発されたもの

写真左は基盤組立(手はんだ)。電子部品をプリント基板を固定するために使われる方法。環境に配慮して、鉛フリー半田を使用している。基盤が組み立てられたあとは、電気的特性を専用チェッカーで全数検査している。写真右はバンドの成型ライン

写真左右とも裏輪列の組立ライン。ここでは針取付け用の歯車を組み付けたり、カレンダー(日付表示)用歯車を組み付けている

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