ボルボのSUV「XC60 T5 R-DESIGN」、スポーティな味付けを試す試乗インプレッション(3/5 ページ)

» 2012年09月21日 08時00分 公開
[吉村哲樹,Business Media 誠]

高い静寂性と十二分な動力性能

 さて、まずは路面が良好な自動車専用道路を軽く流してみる。乗り心地は、スポーツグレードとは思えないほど静かでスムーズだ。スピードを上げていっても気になるようなノイズがキャビン内に一切入り込んでこないので、いつの間にかスピードを出しすぎてしまうほどだ。

XC60 T5 R-DESIGN

 またXC60 T5には、ボルボが独ゲトラグと共同開発した独自の6速デュアルクラッチトランスミッション「6速パワーシフトトランスミッション」が搭載されている。湿式クラッチを採用しているせいだろうか、シフトチェンジが極めてスムーズで、シフトショックを感じることは一切ない。

 ただし、低速域でアクセルを一気に抜くと、ごくまれに「カクン」とエンジンブレーキが効いてぎくしゃくした挙動を見せることもある。これはある意味、デュアルクラッチトランスミッションのお約束ともいえる挙動なのだが、トルコン式ATに慣れていると初めのうちは不自然に感じるかもしれない。

XC60 T5 R-DESIGN

 エンジンは、いわゆる「ダウンサイジング」のコンセプトに則って開発された実用トルクと環境性能重視の仕様で、最高出力240馬力、最大トルク320ニュートンメートルを1800回転から発生させる。実用性重視とはいえ、低回転域のトルクはなかなか強力で、ちょっとアクセルを踏み込んでやるだけで重さ1790キロの車体をグイグイ加速させていく。

 もっとも、一気に大トルクを発生させるいわゆる「ドッカンターボ」ではなく、実際には2000回転あたりから徐々にトルクが盛り上がってくるような感覚で、このあたりの味付けも乗り心地やトランスミッションの仕様と同様、スムーズさを重視したセッティングになっているように感じる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.