ボルボのSUV「XC60 T5 R-DESIGN」、スポーティな味付けを試す試乗インプレッション(4/5 ページ)

» 2012年09月21日 08時00分 公開
[吉村哲樹,Business Media 誠]

スポーツ走行に振った固めの足回り

 さてスポーツグレードとはいえ、良好な路面ではその静寂性やスムーズな乗り味が印象的だったXC60 T5 R-DESIGNだったが、走行ステージが路面の荒れた山道に移った途端、がらりとその印象が変わった。

XC60 T5 R-DESIGN

 XC60 T5 R-DESIGNは強化スプリング(ノーマル比率10%強化)と強化ショックアブソーバーを採用した専用スポーツサスペンションに、255/45R20の扁平タイヤを履くが、路面の荒れた道路では乗り心地の固さがかなり目立つ。

 特に低速域では、「ゴツッ、ゴツッ」とかなりの振動がドライバーズシートに伝わってくる。まるで、足回りをがっちり固めた本格スポーツカーのような乗り心地だ。もちろん、ノーマルグレードではサスペンションセッティングもタイヤも乗り心地重視に振ってあるだろうから、かなり異なる印象になるはずだが。

 逆に言えば、この足回りとタイヤは、スポーツ走行においてこそ真価を発揮する。荒れた路面を抜けて、きれいに舗装されたワインディングロードに入ると一転、今度はコーナリングの安定性に感心させられる。

 大柄なボディで重心が高く、かつ着座位置も高いので、ちょっと速めのスピードでコーナーに進入することに初めは怖さを感じるのだが、回頭性がいい上に、コーナリング中にぐらっと来るようなロールも一切感じないので、極めてスムーズにスイスイとコーナーを抜けていく。

 エンジンも低回転域から十二分なトルクを発生させてくれるので、ちょっときつめの登り勾配でも、2000回転以上をキープし続けている限り、グイグイと力強く上っていく。逆に、一度回転数を2000回転以下まで落としてしまうと、やはり車体の重さを感じてしまうのだが、6速パワーシフトトランスミッションはマニュアル操作も可能なので、積極的にシフト操作をすればある程度本格的なスポーツ走行も楽しめそうだ。

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