90年代のG-SHOCKブームを、コラボモデル&テーマモデルで振り返るG-SHOCK 30TH INTERVIEW(2/4 ページ)

» 2013年02月19日 15時40分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

ファッション系コラボモデル

ユナイテッドアローズとのコラボモデル「AW-500UA-1E」

 まずはファッション系のコラボモデルから見ていこう。1995年発売の「AW-500UA-1E」は、ユナイテッドアローズとのコラボモデル。黒のアナログモデルをベースとし、どんなファッションにも合わせやすそうなシンプルなデザインだ。

 初めてアパレルメーカーと連携してできたこのモデルが人気を博したことで、その後、ステューシー、BEAMS、アニエスbなどさまざまなファッションブランドとのコラボモデルが増えていく。

 それまでは他社と協業で製品を作る場合「タイアップモデル」という言い方をしていたが、このモデルのことを当時のファッション誌がユナイテッドアローズとG-SHOCKのコラボレーションと呼んだのが、コラボレーション、コラボモデルという言葉の最初と言われているそうだ。


音楽系テーマモデル

テクノ系クラブモデル「G'MIX DIGITAL TUNE」(GT-003TH-2T)。BPMカウンターや、残照時間が長く点滅させることもできるELバックライトなど、クラブDJの声を取り入れた機能を搭載

 レゲエ、ヒップホップ、ロック、クラブDJなど、音楽をテーマにしたG-SHOCKもいろいろ発売されている。音楽系テーマモデルの1号機はレゲエ。赤、黄、緑のラスタカラーが特徴で、現在も「ラスタファリアン」という後継モデルがある。

 90年代後半のG-SHOCKは、背面から光を当て、文字盤全面を光らせることができるELバックライトを採用していた。絵柄を印刷したフィルムを使ってEL点灯時にカラーイラストを浮き上がらせるモデルを作ったり、クラブのDJ向けに蛍光色で明るく光り暗いところでも見やすいモデルを作ったりと、音楽系テーマモデルはELバックライトを生かしたモデルが多かった。「当時のG-SHOCKは(ソーラーではなく)電池駆動でしたしね。液晶を派手に光らせることができたんです。クラブのDJは暗い場所で仕事してますから、盤面が明るく光る腕時計はいいね、と言ってくれる人が多かった。クラブ向けシリーズという企画はそこから生まれました」(田中さん)

 音楽系G-SHOCKの中でも、「G'MIX」の名が付いているシリーズがクラブ系のモデルだ。「G'MIXの中でも、G'MIX DIGITAL TUNEはテクノ、G'MIX GROOVE TUNEはヒップホップ、ということでいろいろ作りました。いろんな人に話を聞いて、アイデアをもらうんです。レコード会社に相談に行ったり、ミックスをやっている人やクラブDJにアイデアをもらったり。BPM(Beat per minute、1分間に何回拍を打つか)というのは、メトロノームみたいなものなんですが、DJは(曲をつなげるために)BPMを測るんですね。G'MIXには、DJの人が欲しい機能ということで、BPMをカウントしたり、BPMに合わせて液晶が光る機能などを入れました」


「G'MIX 20th Century's Memorial Request Version」のJ-POPバージョン(GM-100VJU-7JR)

 2000年に発売された「G'MIX 20th Century's Memorial Request Version」では、インターネットで募集した「あなたにとっての20世紀ベストソング」の投票結果上位の曲を収めた。J-POPバージョンの「GM-100VJU-7JR」では、「Tomorrow never knows」「いとしのエリー」「Automatic」など上位5曲のメロディを収録している。

 G'MIX 20th Century's Memorial Request Versionは、液晶面上部で、人が踊っているアニメが動く。「あのアニメーションは、当時社内でハリガネくんと呼んでいたのですが、どう動かすか絵を描いて(商品企画部では)かなり真剣に考えていました。アニメーションは当時、Baby-Gに多く採用されていましたね。ペンギンとかタコとか、いろんなキャラを動かしていました。アニメーションといっても数ピクセルの小さなドット絵が動くシンプルなものですけど」

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