46番ゲートの前には、すでに長い列ができている。その搭乗待ちの乗客の多さに、世界で唯一のオール2階建て機であるエアバスA380の大きさを改めて実感した。
20時15分にボーディングが始まった。ファーストクラスやマイレージ上級会員とともに、優先的にゲートを通過する。ボーディングブリッジは途中でメインデッキ(1階席)とアッパーデッキ(2階席)への二手に分かれ、私たちはビジネスクラスのあるアッパーデッキへ。入り口で出迎えるクルーにチケットを提示し、機内に入った。
60席に設置数を抑えたビジネスクラスに、アッパーデッキ全体のじつに3分の2のスペースが割り当てられている。知らずにキャビンに足を踏み入れた人は、その豪華さにファーストクラスに来てしまったと勘違いするかもしれない。スタイリッシュで近未来的なデザイン。このキャビンの眺望は、前方からと後方からでは、受ける印象が少し違うように思う。前方からキャビンに入ると、そこにはゆったりしたシートが並び、豪華なラウンジに足を踏み入れたような印象だ。しかし後方からキャビン全体を眺めると、各シートの正面に装備された大型液晶モニターが目に入り、まるで先進のIT企業のオフィスを訪ねたよう。それぞれが大きめの固定シェルで囲まれているので、外資系企業のフロアの個別ブースのようにも見える。
担当のクルーに上着を預けて、同行のカメラマンとともに中央の2席並びのシートにつく。ほどなく運ばれてきたのはウェルカムドリンクだ。オレンジジュースやミネラルウォーターなどいくつかの種類がトレイに並ぶ中から、私はシャンパンを手に取った。
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