JALの最新ビジネスクラス「SKY SUITE 777」を創った男たち──第1回「地上サービス」秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(4/5 ページ)

» 2014年08月22日 10時20分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]

もてなしは空港に到着した直後から

──せっかくラウンジでゆっくりしようと思って早く空港に着いても、チェックインカウンターでの行列や保安検査に時間をとられて、ラウンジで過ごせる時間が15分くらいしかないというケースが過去にはありました。そういう不満も、最近は解消されましたね。

玉置: どのクラスの利用者も長い列に並ばなくて済むシステムが理想です。それが無理なら、じゃあどういう順番でご案内するのがベストか? どうしても、やはり上位クラスのお客さまや日頃からたくさんご利用いただいているフリークエントフライヤーの方からという優先順位になり、その対策にも力を入れて取り組んできました。

──玉置さんの担当はラウンジでのサービスの企画に限らないわけですか?

玉置: 地上でのサービス全般ですね。チェックイン業務に就く人たちの管理・マネジメントを行う空港本部という部署が別にありますが、私たちが考えるのは、スムーズな動線とか、上位クラスのお客さまへのケア(プレミアムサービス)などの商品サービスの企画です。「サイネージ」といって、空港内でお客さまが迷われないように分かりやすく案内する方法を模索したり、小さなお子さま連れの方には専用のカウンターをご用意したり。

──ビジネスクラスはエコノミーの5倍も10倍も料金を払っているのに、機内の座席スペースが10倍広くなるわけでもないし、食事も10回出てくるわけでもない(笑)。料金に見合ったサービスを提供し、満足を得るためには、地上でのもてなしの改善も不可欠だったわけですね。

玉置: おっしゃるとおりです。上位クラスのお客さまは、空港で専任のスタッフがお出迎えして、スムーズなチェックイン手続きのお手伝いをさせていただく。また、これは空港会社が実施することで私どもの会社の単独商品というわけではありませんが、「ファーストトラック」といって保安検査の優先レーンなどの活用にも力を割いてきました。地上から機内、さらに目的地の空港を出るまでのトータルなサービスを通じて、JALの上級クラスを選んでよかったと思っていただくにはどうしたらいいか? そんなことを日々考えながら、仕事を続けています。

ラウンジ内にはシャワー施設やマッサージルームなども完備(撮影:倉谷清文)

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